三条市猪子場新田、雑貨・スタジオ「Room」で15日から25日まで「細貝典子 春・夏の服・展」を開き、「一日一日を元気で楽しく送れるような服を作りたい」という長岡市に住む細貝典子さん(68)の作品を展示販売している。
作品は、天然素材のおしゃれな洋服180点余り。ブラウスやシャツ、パンツやワンピースなどの婦人服。ネックレスなどのアクセサリー、ショールなどもあわせて展示している。
布の宝庫といわれるインドやタイ製の布、世界で活躍する一流デザイナーがコレクションで使用した布、日本の麻を柿渋や墨などで染めた布など素材こだわる。「私の仕事の半分は、布を探すこと」という細貝さん。その素材を探し、作ることから始まり、デザインし、体形や年齢もフリーで着心地のいい洋服に仕上げる。
細貝さんは十日町市生まれ。30歳代のころ、長岡市でグラフィックデザイナーとして広告関係の仕事に就いていたが、現在は木工作家として活躍する夫が、木工の仕事をするために脱サラしたときに一緒に九州へ移った。そこで藍染や手織りを習い、さらに1カ月間、染色の関係でインドに渡ったのが、染や布と出会いだった。
再び、夫の生まれた長岡に戻り、地元百貨店で夫の作る家具の作品展を数年間、自身で染めた布で作った洋服を着て手伝っていたところ、細貝さんの洋服に注目した人の勧めで、作品を発表する機会を得て、12年ほど前から長岡市呉服町2のギャラリー「mu-an」で作品展を続けている。
三条市での展示会は初めて。三条市はいろいろなイベントや話題があり、元気がいいと感じており、ぜひ三条で開催してみたかったと言う。
細貝さんには、未熟児で生まれ、障がいをもつ28歳の子どもがいる。その対応などで、長岡で初めて、県内で初めてということに直面してきた。まわりに誰も先を行く人がなかったことから、さまざまなことに悩み、苦しんだが、それらを乗り越えて今がある。
今、子どもが障害をもつとわかり谷間に突き落とされたような心境の人、親など家族の介護に追われる人、突然に降りかかった苦しみに直面する人に伝えたいことがある。「今とても楽しんでいます。私みたいに、こんなふうになる日も来るんだと」。
医療も福祉も進歩しており、「希望があったら生きていける」。料理や洋服なども含めて「いろんなドアを開けて乗り切っていけたら」と笑顔で話している。
作品展は、午前11時から午後5時まで。会場は、国道8号を三条方面から長岡市方向へ向かい、割烹食堂中越やセブンイレブンのある信号交差点の一ツ屋敷交差点を左折し、1つ目の信号交差点を右折して70mほど進み、左手の田んぼの奥に白い建物の「Room」が見えるので、左折する。