燕市分水地区で19日、恒例の第73回分水おいらん道中が行われた。盛りは過ぎたものの何とか花を残した大河津分水の桜並木を舞台に豪華絢爛な花絵巻を繰り広げ、主催者発表で昨年を2千人上回る9万5千人の人出でにぎわった。
分水おいらん道中は、3人をおいらん役をはじめ70人で行列を編成。正午から地蔵堂本町通りの700メートルと大河津分水桜並木1,000メートルを進んだ。
途中、それぞれ数カ所で行列を止め、おいらん役は高さ15センチもある3枚歯の高げたをゆっくりと外に振りだして足を進める「外八文字」と呼ばれる優雅な歩き方を披露。ここがシャッターチャンスで、写真愛好者はいっせいにシャッターを切り、見物客はうっとり見入り、終わると大きな拍手がわいていた。
花曇りで行事がすべて終わるころにぽつぽつ雨が落ち始めた。最高気温は三条で21.5度。初夏を思わせる陽気で、かつらを含めて30kgもの衣装を着たおいらんには、暑すぎる環境。そのためか、おいらん役のひとりは地蔵堂本町通りの終盤で具合が悪くなって行列から抜けたが、大河津分水桜並木では行列に戻っておいらん役を務めあげた。
これまで行列は全体をロープで囲み、近づけないように規制線を設けていたが、行列が見にくくなり、不評なことからことしは廃止。好評だったようで、相変わらず写真愛好者は多かったものの、ポジションの奪い合いでぴりぴりすることも少なかったようだ。
駐車場には福島、群馬、栃木、長野など近県から訪れた観光バスがずらりと並んだ。群馬県桐生市の旅行代理店のツアーで訪れた人たちは、有料の観覧席に座って「桐生も織物の産地なので、おいらんの衣装がどんなものか見るのが楽しみ」と行列の到着を待っていた。