三条市を流れる五十嵐川の一新橋ー昭栄大橋間の右岸堤防にシバザクラの植栽や草刈りのボランティアを行うボランティア団体「朝草会(あさくさかい)」(山崎修会長・会員約80人)は「昭和の日」の29日、シバザクラが咲く右岸堤防をメーン会場に第1回五十嵐川芝桜まつりを開いた。
右岸堤防には幅8メートル、延長310メートルにわたり、濃いピンク色の花を咲かせる1万4,000株のシバザクラと、加えて白い花を咲かせるシバザクラが植えてあり、今まさに満開。堤防の上に地元飲食店によるフードコートが並んだ。
そこで野だてや豚汁サービス、ちょうど春祭りを開いていた神明宮の神輿も堤防と一ノ木戸商店街を進んだ。さらに堤防を舞台に写真コンクールや絵画コンクールも行い、アマチュアカメラマンがシバザクラをフレームに入れた写真を撮り、小学生が画板に画用紙を広げて写生に集中した。
豚汁は400人分用意し、配布前から100人以上の行列ができた。イベントを楽しむだけでなく、河川敷にビニールシートを広げて食事する家族もあり、ふだんは眺めるだけの風景のなかで、時間を忘れて春の陽気を味わっていた。
朝草会は、一ノ木戸商店街に「ハーメルンの館」がオープンした1993年、荒れ放題だった堤防をきれいに整備しようと有志30人ほどで発足した。2010年、コメリ緑資金を得て2万1,000株のシバザクラを植えたが、翌11年の7.29水害で土ごと濁流にごっそり流された。13年にはコメリ緑資金と新潟県都市緑花センターから苗や資材の提供を受けて再び1万4,000株を植えて復活させた。
4月から9月まで毎週のように日曜の朝、草刈りを行う。それ以外に毎年7月に納涼会を開くのが恒例だが、昨年から会員から芝桜まつりをやろうという話があり、だんだん内容が膨らんだ。29日は地元の神明宮の春まつりがあり、それにあわせれば神輿も出してもらえるだろうとこの日になった。
会長の和菓子店「かつぼ屋」の主人、山崎修さん(59)=林町1=は、会場の野だて用に緑のなかにあるピンクをシバザクラの花に見たてた菓子「芝桜」を用意した。初めての芝桜まつりは「思った以上に良くできた」と喜んだ。会員は年々、増えて80人になった。ただ、会員の高齢化が進んでおり、「若い人から入ってもらえるようにしないと」と話した。