大災害時に専門的ケアが必要な避難者が安心した避難生活を送ることができるようにと、燕市と市内で福祉施設を運営する3つの社会福祉法人は30日、災害時の福祉避難所の設置運営に関する協定を締結した。
鈴木力市長と3つの社会福祉法人の代表、つばめ福祉会=燕市大曲=の岡田健一理事長、吉田福祉会=燕市吉田法花堂=の細貝好美理事長、桜井の里福祉会=弥彦村麓=の柏原正史理事長が調印書に調印し、握手した。
協定は、大規模災害発生時に避難生活が困難な要援護者のために各法人が福祉避難所を開設、運営するもの。福祉避難所指定施設は、3法人合わせて燕地区7施設、吉田地区7施設、分水地区6施設、弥彦村2施設の計22施設になる。
現在、市内の要支援者は約3,000人にのぼる。鈴木市長は「福祉避難所をしっかり準備しておかないと防災計画をつくってもそこが欠落してしまう」と重要性を強調。東日本大震災の避難者を約200人受け入れたうち、8人を施設で受け入れてもらったことを話し、「平時から福祉施設との連携を今まで以上に密にし、いざというときはさらなる連携が図れれば」と期待した。
つばめ福祉会の岡田理事長は今回、燕市と協定を結んだ3法人の間では数年前に協定を結び、災害時に限らず勉強会を開くなど、「いろんな目的で協定を結び、それなりの成果をあげてきた」と自負し、「われわれのノウハウを一般市民の方から使っていただけるのは誠にありがたい」。
東日本大震災の避難者は、今も高齢者福祉施設と障がい者福祉施設を1人ずつが利用している。3法人が手を組んで常に最悪を考えて業務を展開しており「期待に沿うことができるものと確信し、ここに確約をする」と覚悟を示した。