大型連休にあわせて弥彦村の弥彦グランドホテル跡地を活用した「おもてなし広場」の農産物直売所が2日、仮オープン。予想を超す来客で大にぎわいだった。
3張のテントを店舗に午前9時から午後3時まで営業。レジに不慣れなこともあるが、オープンから1時間ほどの間は買い物をする人と多いときで20人以上の会計に並ぶ人でテント内がいっぱいになる繁盛ぶりだった。
地元村内から7軒が出店したものから先に売れた。旬のタケノコをはじめ山菜のワラビやウド、さらにトウナ、ミズナなどを販売した。ほかに青果市場から仕入れたバナナ、リンゴ、サツマイモ、ナガイモ、レンコン、ニンジン、ジャガイモなど一般野菜や果物、加工食品の大福、おこわ、赤飯、ちまき、笹だんごなども販売し、用意した商品の9割は売れた。
夏の陽気に恵まれ、「初めてらけど人が出たねー」、「ばーか、景気がいい話らねっかね」、「あしたも仁義買いしてくんなせね」と関係者も客の冗談をかわして笑顔であふれていた。
客のほとんどが歩ける距離に住む地元の人で、麓や矢作の地区から訪れた人も。同所の裏手にあったスーパーが数年前に廃業し、地元の高齢者はいわゆる買い物難民となっているだけに、近所で生鮮食品を買うことができればありがたいばかり。
6月は跡地の整地が行われるため、跡地が利用できない予定。今の場所での営業はいったん5月末で終わるが、6月になってからも跡地付近の場所を借りて営業を続ける考えだ。
おもてなし広場の建設は、2月に新弥彦村長となった小林豊彦村長の公約で、直売所を運営するのは、小林村長の後援会役員を中心に設立した「株式会社さやや」。武田芳久後援会長が社長に就く。
武田さんは「細々と始めた割には上出来。思った以上に大勢が来てくれて大盛況だった」と手応えを感じた。もっとも初日のペースがいつまでも続くと思っていない。9月の本格オープンには調理ができるように調理室を備えるなど、内容を充実させる。
跡地を整備したら、夏の灯ろうまつりや花火の観覧場所にして、村の新しい動きを生み出すきっかけになればと願う。「せっかくこれだけのいい場所があって、弥彦の中央なので皆さんから喜んでもらえる場所していきたい」と話している。