11日開かれた燕地区防犯組合(小田島繁信組合長)の平成27年度総会で、鈴木力市長は吉田地区で相次ぐ不審火を防ぐため、昨年度から実施している防犯カメラ設置に対する補助事業をさらに推進するとしたのに対し、出席者からは設置にかかる費用を市民が負担するのはおかしい、行政や警察が設置すべきとの意見が相次いだ。
市は昨年度、防犯組合が防犯カメラを設置する場合、6万円を上限に設置費用の2分の1を補助する制度を設けた。これにより吉田地区が10台、分水地区が2台の防犯カメラを設置したが、燕地区でも昨年度、幸町と西燕町に1台ずつの2台を設置。27万9,623円の費用がかかり、市から12万円の補助金を受けた。
今年度の予算案では、防犯カメラ設置費として130万円を計上。市補助金60万円を見込み、残りの70万円は自治会負担金を充てるとした。このため、予算規模は昨年度当初の182万2,610円から今年度予算案では80.9%増の329万8,000円と大きく膨らんだ。
総会の冒頭、あいさつした鈴木市長は「市民がいちばん不安に思っているのは不審火」としたうえで、日ごろの防犯活動で抑止するのが大切で、「設置したい地域があったら、補正予算を組んでもいいからしっかり体制をとりたい」と予算にしばられずに補助金を交付するとした。
議事に入り、事務局が今年度の事業計画案と収支予算案を説明して質疑を求めると、出席した自治防犯会長、委員から「防犯カメラの設置は本来、行政の仕事ではないのか」、「市で危ないところを検討して予算付けするのが本来ではないか」、設置やその後の維持に関する費用を市民が負担することに反発する意見が続いた。防犯カメラにこだわらず「防犯灯をつけるという考え方もある」と、市が設置、管理している防犯灯の設置を増やすよう求める人もいた。
昨年、吉田地区から防犯カメラを設置したいという要望を受けて市が防犯カメラ設置補助金交付の制度を設けており、同様に今年度の事業家計画に補助金を活用した防犯カメラ設置を盛り込んだ。そうした経緯などを事務局が説明したが、出席者の納得は得られなかった。
そこで議長を務めた小田島会長が引き取る形で、防犯カメラの設置は、どういうあり方が望ましいか、まだ手探りの状態であり、「皆さんの貴重な意見をもとに役所から細部にわたって検討してもらうことでお願いしたい」と理解を求め、満場の拍手で承認を得た。