燕市教育委員会と燕市内の8人の茶道の先生が会員の燕茶道友の会(佐藤宗和会長)は10日、県指定天然記念物「八王寺の白藤」を保存する燕市八王寺、安了寺で第39回白藤茶会を開き、200人余りが参加してフジの花の香りとともに春の茶会を楽しんだ。
「八王寺の白藤」の開花期にあわせて毎年開いている。庫裏(くり)に茶席を設け、席主は燕茶道友の会会員の回り持ちで、ことしは裏千家の大泉宗寿さん=燕市仲町=が席主を務めた。
フジ棚は30×20メートルもの広さがある。毎年5月半ばに白い花房を下げて市外からも大勢の見物客を集めているが、ことしは例年より開花が1週間以上も早く、すでに花のピークを過ぎ、先に花が咲く花房の上の方はすでに花が終わりかけ。甘い花の香りも弱くなっていたが、少し離れて見れば満開のころと大差なく、まだ十分に花見を楽しめた。
ほかの茶会に開かれた茶会とはしごして和服で訪れる人も多く、外は肌寒かったが、和服には最適な陽気だった。菓子は近くを流れる中ノ口川とフジの花をテーマにした「花筏(はないかだ)」。“花筏”は散った花びらが水面に浮かぶようすを言う。お運びをする人もフジ色の着物を用意するなど趣向を凝らし、春の茶会を堪能していた。