16日に宵宮に続く17日の燕市宮町、戸隠神社(星野和彦宮司)の春季祭礼は、万灯に加えて神輿行列や舞い込みが行われた。
17日も抜けるような青空に恵まれた。16日に続いて木場小路万灯組と横町万灯組の2つの万灯組が「伊勢音頭」にあわせた小学生の女の子による踊りで家々を回る門付けや外で踊りを披露する下座を行った。昼前から境内に弥彦村の公式キャラクターとなった「もち-うさぎ」が登場し、子どもたちの人気者になっていた。
一方で午後4時から大通りの西側、旧太田村との境界から戸隠神社に向かって戻る形でみこし行列が行われた。以前は大名行列を行ったが、人手不足で行列を編成できず、一昨年からみこし行列に変えた。代わりに少しでも行列を盛り上げられればと、道中の数カ所で4人の稚児が舞を披露した。
そして夜は木場小路と横町の万灯組がそれぞれ舞い込みを行った。参道を駆け抜けて拝殿へ上るもので、子どもたちの舞い込みのあと若連中が舞い込み。若連中はいちばんを争って参道を猛ダッシュし、拝殿に入ると飛び跳ねて最後の力をふりしぼって気勢を上げた。
それが終わると一転して静寂の世界。笛や太鼓が響くなか、みこしが還御。両万灯組の若連中が参道を囲み、暗い境内で上横町神楽保存会が獅子神楽を舞ったあと、みこしに載せたみ霊を再び神殿に戻し、最後に渡辺大蔵権禰宜(ごんねぎ)があいさつして祭りを締めくくった。
渡辺権禰宜は、総代会会長や横町万灯保存会の会長だった石黒克裕さんが急逝し、「自分たちの手で一から祭り行事をつくりあげなきゃならないという直面した課題にさらされた春祭り」だったが、大勢の尽力や知恵で還御を迎えられたことを喜んだ。
同時に学ばなければならない点も多く、「これらを神さまからの教訓、父祖からの教訓、石黒さまからの教訓として来年以降に生かすことができるか」と問い、協力してくれた人たちに感謝した。