県は12日から7月14日までに10回コースで燕市民交流センターで音声訳奉仕員養成講座(初級)を開いており、定員通り20人が受講している。
県は毎年、県内の1つの市町村を対象に音声訳奉仕員養成講座を開いている。今回は燕市が会場になり、市の広報紙「広報つばめ」の音声訳を行うボランティアを養成するのが主眼だ。
現在、燕市内では吉田地区の吉田音声訳の会が広報紙の音声訳をカセットテープで作成しているが、すべての内容を作成する人手がなく、60分テープのこともあり、作成する情報を選んでいる。燕地区で音声訳を行っていた音声訳茜会は一昨年3月末で解散した。
今回の講座で音声訳奉仕員を養成し、広報紙のすべての内容を音声訳し、CDでの配布を目指している。現在、吉田地区では目の不自由な高齢者を中心に十数人に音声訳したテープを配布している。
定員20人で受講者を募集したところ、2倍近い36人から受講申し込みがあった。全講座受講できるか、パソコンの操作に習熟しているか、ボランティアの意欲があるかなどを基準に女性19人、男性1人の20人の受講者を選考した。
初日12日は音声訳の基本、朗読との違いなどについて学び、せっかくなので発声練習も行った。
50歳代のピアノ講師の女性は「目の不自由な人や闘病している人の役に立てたらいいなと」、「今後の音楽活動にも役立てば」と受講を申し込んだ。一昨年、夫を闘病の末に亡くしたが「心にも時間にも余裕ができてきた」。初日を終わって「音声訳はなかなか簡単ではなく、奥が深いと思った」と気を引き締めていた。