三条市・諸橋轍次記念館では6月6、7の2日間シリーズで同記念館で「諸橋轍次博士の日」記念講演会を開き、6日は中国駐新潟総領事館の何平(か・へい)総領事、7日は佐藤海山同記念館指導員を講師に講演を聴いてもらう。
「大漢和辞典」を編纂し、文化勲章受章、三条市名誉市民の漢学者、諸橋轍次博士(1883-1982)の誕生日は6月4日。同記念館はその日を「諸橋轍次博士の日」として毎年、誕生日前後に記念事業として講演、ビデオ上映、絵本の読み聞かせなどを行っており、今回の記念講演会もその一環だ。
2日間とも午前10時から開く。6日の何平総領事は「日本語を学んだ頃の思い出から」をテーマに講演する。何平総領事は1965年生まれで、昨年2月に総領事となった。
講演の具体的な内容は当日までわからないが、前任の王華前総領事もそうだったように何平総領事も大漢和辞典を使って日本語を勉強しており、そのころを中心に話すようだ。
講演後、「諸橋博士の日 特別展示」公開記念テープカットも行う。この日から8月30日まで同記念館で行う特別展示「諸橋博士の秘密−座右の銘と名前−」の幕開きを記念して行い、何平総領事館や国定勇人市長、地元選出の国会議員、県議、市議などが出席する。
また、諸橋博士は座右の銘にした「行不由径」を数多く書いているが、これまで同記念館にはなかった。このほど諸橋博士の「行不由径」の書の寄付を受けて同記念館も「行不由径」を収蔵でき、その公開も行う。
7日の佐藤指導員の講演は「諸橋轍次の足跡を訪ねて−『行くに径に由らず』縁の地を歩く」がテーマ。佐藤指導員は昨年11月末から4泊5日で中国の上海を振り出しに3回目の諸橋博士の足跡をたどる旅に出掛けた。
諸橋博士の座右の銘「行不由径」は、講師の論語にある言葉。孔子が武城(ぶじょう)の町の長官になった弟子の子游(しゆう)に良い人物は見つかったかとたずねたときに、子游が「行不由径」な人物として“澹台滅明(たんだいめつめい)”を紹介した。
佐藤指導員は上海から中国の新幹線で蘇州市常熟市へ生き、子游と澹台滅明の墓を訪ね、写真を撮るなどした。講演ではその写真をたくさんプロジェクターで写し、「今回の旅を疑似体験してもらえれば」と佐藤指導員は話している。
講演はいずれも定員150人、参加費無料。事前の申し込みは必要ないが、定員を超えたら入場を断る場合がある。2日間とも三条市中央公民館から参加者のためにマイクロバスを運行する。定員25人で利用したい人は同記念館へ申し込む。問い合わせやマイロクバス利用の申し込みは同記念館(電話:0256-47-2208)へ。