燕署(斉藤正栄署長)は27日、特殊詐欺被害を未然防止した燕市内2つの金融機関と職員に署長感謝状を贈って表彰した。
表彰されたのは協栄信用組合仲町支店(橋本弘禎支店長・燕市仲町)と同支店の岡田智次長と野上幸子主任、新潟県信用組合吉田北支店(青木孝広支店長・燕市吉田本所)と同支店の上田喜一支店長代理と大森あゆみ預金係長。
それぞれ支店長と職員が同署を訪れ、斉藤署長から金融機関の感謝状は支店長に、職員には直接、感謝状を手渡した。
協栄信用組合仲町支店は4月17日、来店した70歳代の女性から300万円の引き下ろしを依頼され、理由を確認したところ、「孫に車を買ってやる」と答えたことから、オレオレ詐欺を疑った。岡田次長に報告して説得したところ、「警察を名乗る男と弁護士を名乗る男からお金を引き出すように言われた」と説明を受け、警察に通報して、特殊詐欺被害を防止した。
新潟県信用組合吉田北支店は4月24日、来店した80歳代の女性から、孫の結婚資金として850万円の引き下ろしを依頼され、詳しく理由を確認したところ「娘に貸してくれと頼まれた」と答え、高額現金での引き下ろしだったことから詐欺を疑った。
上田支店長代理に報告するとともに警察に通報して説得を続け、「交番の警察官を名乗る男から電話を受け、銀行員があなたの金を引き出そうとしており、現金を管理するから預金全額を引き出してくれと言われた」との説明を受け、特殊詐欺被害を未然防止した。
協栄信用組合仲町支店の橋本弘禎支店長は「これはと思ったときに積極的に声をかけるのが大事。ちゅうちょしていては後の祭りになる」、新潟県信用組合吉田北支店の青木支店長は「声をかけることに尽きる。とにかく情報を上手に引き出し、担当者だけでなく職員が連携すること」と話した。
斉藤署長は「よく観察し、来店の理由を考えながら話を聞くことが被害防止になる。そんな心構えで」と引き続き未然防止に務めるよう願った。ことし4月1日現在の県内の特殊詐欺被害は105件、被害総額約2億9,000万円、燕署管内では6件の約2,100万円で例年より多いという。