三条市は30日、東日本大震災の影響で三条市に避難している福島県の人たちの一時帰宅を支援する一時帰宅支援バスを運行し、南相馬市小高区の9世帯12人と、あわせて現地での片づけ作業などボランティア活動を行う26人が同乗して福島県南相馬市に向かった。
一時帰宅を支援するボランティアは、三条市と三条市社会福祉協議会が募集した日帰りの活動で、2013年から実施しており、今回で5回目となった。
三条市民19人をはじめ、長岡、新潟、五泉、見附から男女計26人が参加。年代別では、20代1人、40代1人、50代5人、60代14人、70代5人で、50歳以上が92%を占め、平均年齢は62歳と高い。26人のうち20人がリピーターで、夫婦で参加も何組かあった。
まだ薄暗い午前4時、三条市総合福祉センターから三条市の用意した大型貸切バスに乗り込んで出発。高速道路を使って南相馬市の小高区役所付近に到着し、午前10時から午後3時半まで三条市に避難している人たちの自宅4軒の作業を手伝うことになっている。
帰りは、午後4時に小高区役所前を出発し、前回までとルートを変えて、福島第1原発事故の帰還困難区域を南北に貫く国道6号(陸前浜街道)を経由して常磐道ICへ。昨年9月に通行規制が解除された双葉町から富岡町間の約14キロは、放射線量の高い期間困難区域で、窓を開けないようにと注意をしている。
午後4時45分ころ、常磐富岡インターチェンジから高速道に入る。阿武隈高原サービスエリアで夕食をとり、通行止めの会津坂下から西会津インターチェンジ間は工事で夜間通行止めのため国道49号を迂回し、午後10時ころ三条市総合福祉センターに到着、解散の予定だ。
支援バスは、当初は三条市のマイクロバスで運行していたが、座席も小さく荷物を抱えて片道約5時間、作業をしての往復10時間の道程は身体への負担も大きく、昨年から大型バスでの運行とした。
出発を前に、一時帰宅をする人は、「ボランティアの方がいっしょにかえってくれるのは、ものすごく心強い」と支援に感謝していた。