今年度で4年目になる燕市防災リーダー養成講座の「ステップ2」で5月30日、視察研修を行い、受講者35人が参加して2004年10月23日に発生した新潟県中越地震で大きな被害を受けた長岡市山古志地区と小千谷市を視察した。
同講座は市民の防災意識の高揚を図るのが目的。今年度は4月から6月までに4回開講し、市内の自主防災会の代表や自治会長を中心に50人が受講している。
市のマイクロバス2台に分乗して、中越地震の記憶の復興を軌跡を伝える中越地区の4施設と3公園を結ぶ「中越メモリアル回廊」のうち、山古志の「やまこし復興交流館おらたる」と小千谷市の「おぢや震災ミュージアムそなえ館」をはじめ、地震で芋川(いもがわ)がせき止められてできた土砂ダムによって今の水没したまま木篭(こごも)集落や山古志闘牛場、中山隧道(ずいどう)も見学した。
中越地震から3年後の07年に新潟県中越沖地震、11年には東日本大震災が発生。中越地震の記憶も薄れ、ほかの地震と混同しがちだが、各施設の展示物や体験コーナー、生い茂る草に時間の長さを感じがながらも今も2階の屋根まで土砂にすっぽりと埋まった家などを目の当たりし、報道で繰り返し見た中越地震の記憶がまざまざとよみがえった。
以前に両方の施設を訪れたことのある60歳代の男性は「展示の内容が新しくなっていて初めて知ることもあった。1回だけでなく継続して見学することも大切」と話した。