2004年11月に結成された燕市の合唱団「コーロ・スプラウト」(田野正則代表)は5月31日、燕市文化会館で結成10周年記念コンサートを開き、500人余りが来場してたくさんのゲストを迎えた充実のプログラムをたっぷり味わった。
コーロ・スプラウトの団員30人が出演して東日本大震災支援ソングの「花は咲く」、組曲「水のいのち」から「雨」、カンタータの「土の歌」から「大地讃頌」、さらに女声コーラスや男声コーラスのアンサンブル、ソプラノ歌手をゲストに「花の共演コンサート」のコーナーも。
後半は「笑顔を忘れないで」にスポットライトを当てた。燕南小学校出身で10万人に1人とも言われる小児慢性特定疾患胆道閉鎖症で2003年に17歳で亡くなった岡村可奈子さんが作った詩を曲にしたもの。山形県南陽市に住むフォークシンガー須貝智郎さんが作曲し、コーロ・スプラウトはそれを歌い広めてきた。会場には可奈子さんの祖母も訪れた。
作曲した須貝さんにによるミニライブ、「笑顔を忘れないで」に関連して須貝さんが可奈子さんの詩との出会いや思い、鈴木力市長が「笑顔を忘れないで」が取り持つ南陽市との縁、可奈子さんの母校、燕南小学校の器楽クラブ部長の6年生吉沢音愛さんが可奈子さんへの思いを話した。
最後に燕南小学校の20人と「笑顔を忘れないで」の体操をつくったふれあいサロン「たっしゃらね」の60歳以上のメンバー8人をはじめすべての出演者がステージに上がり、客席も一緒に会場が一体となって「笑顔を忘れないで」を合唱して幕を閉じた。
コーロ・スプラウトは2年に1度のペースで単独コンサートを開いており、初めての周年記念のコンサート。結成当初から代表の田野正則さん(63)=燕市小古津新=は「一生懸命、内容や出し物を企画し、満足いただけたかなと思う。これを契機に可奈子さんの思いを歌い続け、新たな企画を練ってまた披露していきたい」と笑顔で汗を光らせていた。