三条市長沢、真言宗豊山派「宝積院(ほうしゃくいん)」(山田照賢住職)で7日、毎年恒例の不動講火渡り祭が行われ、約450人が参拝して家内安全や無病息災を願って火渡りをした。
毎年6月に行われている行事で、ことしで31回目。午後1時半から本堂の内陣で大護摩奉修のあと、本堂前の境内で紫燈(さいとう)大護摩、そして最後に火渡り祭が行われた。
合わせて約30人の僧りょと山伏が参加。紫燈大護摩はさまざまな儀式を行って結界を張ってから、スギの葉などでつくった紫燈大護摩に点火すると、空が暗くなるほどの煙がもくもくと上がった。
昨年は火渡り祭をはじめてちょうど30回目の節目だったことから、釜の煮えたぎる熱湯を浴びる荒行「湯加持(ゆかじ)」を初めて行ったが、ことしもぜひ続けてほしいという声が多かったことから行った。
両手に持ったクマザサを熱湯に入れ、気合いとともに振り回して熱湯のしぶきをかぶった。近くで見物する参拝者にも容赦なくしぶきが降りかかり、あまりの熱さに「あっちぇ!」と声を上げて飛び上がった。最後に行者は窯の上にクマザサを敷いてその上に座って荒行を締めくくった。
その間に紫燈大護摩の火も収まり、火渡り祭。まず僧りょらが渡り、続いて一般の参拝者が「火生三昧」と書かれた鉢巻きを締め、願いごとを念じながら手をあわせて火渡り。子どもを抱いて渡ったり、思いがけない熱さに駆け足で渡る人もいた。