燕三条青年会議所(石黒良行理事長)は7日、記者会見を行って市民の翼事業「燕三条フィルムプロジェクト」として制作する映画のタイトルを「ともに担げば」と決めたことやキャストを発表した。
物語の舞台は金属加工技術を中心に、ものづくりの集積地としての伝統産業を大切にしている燕三条。その担い手の阿部ツヨシと岡本清一郎は、幼いころから犬猿の仲だったが、市民が守り続けて来た伝統ある夏まつりを中止する発表があり、ツヨシは大きなショックを受ける。
地域の技術を集結したみこしも東京の博物館へ送られることになり、なんとか大切な「誇り」を自分たちの手元に。すれ違っていた思いがまたひとつに重なり、人々に伝わってゆく。故郷と家族を愛する人々の、心温まる人間ドラマになる。
監督の鶴岡慧子さんが構想段階で燕三条を訪れたときに燕三条地場産業振興センターに展示されている燕市・飛燕夏まつりで担がれるみこしに発想を得た。会見に出席した鶴岡さんは、「あのインパクトが非常にすごく印象に残ったので、みこしはまちのシンボルとしておもしろいんじゃないかと思ってみこしの話にした」。
会見前日に燕三条青年会議所のメンバーと相談してようやくタイトルが「ともに担げば」に決まった。鶴岡さんは「一緒にみこしを担ぐという意味合いと、みんなで力を合わせてひとつの映画をつくるとかいう思いを込めた」と話した。
メーンキャストには阿部ツヨシ役に植木祥平さん(32)、岡本清一郎役に高野春樹さん(35)。ふたりとも鶴岡さんが撮影した映画に出演したことがある。ツヨシの妻役に主題歌も手掛けるシンガーソングライターで女優のilly(イリィ)さん、清一郎の妻役には三条市出身の山崎日菜さん(28)に決まった。
サブキャストは約150人の応募のなかから先にオーディションを行って選んだ19人を発表。それぞれ一言ずつ自己紹介を行った。記者会見後はさっそくシナリオの読み合わせも行った。7月22日から8月4日まで撮影を行い、10月1日に完成、燕三条JC誕生の日の10月10日に発表する。また、引き続きボランティアスタッフも募集している。