ことしの三条凧合戦は、3月に「越後の凧合戦習俗」のひとつとして県指定民俗無形文化財となってから初めて開かれた。7日の開会式では、初めて泉田知事が出席し、「三条の凧(いか)合戦を日本を代表する文化として世界に発信していく機会に」と期待を込めた。
開会式は一般向けのアトラクションも行う合戦2日目に開いており、午前9時に開式。20の凧組が整列し、来賓では初めて泉田知事を迎えたほか、金子恵美衆議院議員、菊田真紀子衆議院議員、佐藤卓之県議、藤田博史県議、茂出木雅章日本の凧の会会長など来賓が出席。
三条凧合戦大会会長の国定勇人三条市長はあいさつで、「このたび、白根と今町・中之島とともに三条が新潟県から民俗無形文化財の指定をいただくことができた」と、泉田知事の出席と重ねて感謝した。
さらに、翌2016年10月に日本凧の会の全国大会が三条で行われることになったと紹介し、全国の人から三条の凧合戦を見てもらうのを前に「そのステップアップの景気づけとしても最後の最後まで頑張り抜いていただきたい」と激励した。
泉田知事は、「きょうは絶好のタコ揚げ日和、ごめんなさい、イカ揚げ日和」と和ませ、競技の安全を最初に願った。
三条凧合戦は、歴史と伝統の合戦であり、全国的にも珍しいルールで実施されていると承知しているとし、「ぜひとも三条の凧合戦を日本を代表する文化として世界に発信していく機会(になるよう)、力を入れていきたい」。
県の民俗無形文化財の指定について、「これは名誉だけではない。県から経済的な支援も出るということで、ぜひともこれを活用して多くの市民、県民のみなさまに見ていただく機会にしていきたい」。
さらに、「先ほど国定市長と相談したが、せっかく来年、日本全国の凧が集結をするということなので、その機会をとらえて、このイカ合戦を発信していく機会にしていきたい」と述べ、「本日の合戦が皆さま方にとっても、三条にとっても、大きな飛躍の年になるように」と願った。
このほか、「東日本大震災福島県避難者一同」として三条市に避難している人たちから三条凧協会に凧の贈呈も行われた。東日本大震災で3月に三条市に避難して間もない6月に凧合戦に招待されて以来、5年。「凧が大空に上がる姿に励まされ、うれしかった」と述べていた。
開会式終了後には、泉田知事が六角凧の凧揚げに挑戦。「おもしろい、おもしろい」と、ぐんぐんと空に上がる凧の糸を引いたり緩めたり。「力を使うけど、すごくおもしろい。病みつきになりそう」、「子どもたちも経験すべき」と話した。