洋画家中川セツ子さん(81)=新潟市中央区=の個展が21日まで見附市学校町2、今井美術館で開かれており、年齢を感じさせないエネルギッシュな作品が来場者を圧倒している。
畳より大きなカンバスに描いた作品もあり、約30点の抽象画を展示。「ふつうの洋画では誰も足を止めてくれないから」と十数年前から取り組むコラージュがほとんどだ。
カンバスに油彩やアクリルで描いてからカンバスを覆うように奉書紙(ほうしょがみ)張る。それから奉書紙を自由にはがし取り、さらに絵の具や木炭で描き加えるといった手法だ。作品の大きさもさることながら、力強さと繊細さを兼ね備えた表現力に驚かされる。
古いカンバスを何度も繰り返し使うのが中川さんの流儀。「古い作品が残った部分も作品の雰囲気を助けてくれる」と自分では思いつかないような意外性も創作に生かす。
本格的に絵を始めたのは20歳代前半。その当時の作品も展示してある。カンバスの全面に描いてから絵の具を削り取るという手法で制作されている。また、5月31日は身体表現や音楽絵画とのコラボレーションも行った。
中川さんは今も中央の自由美術協会展、アンデパンダン展、女流画家協会展の3つの展覧会展に出品を続けているほか、東京のギャラリーや県内でも毎年個展を開いている。創作活動を休んでいる暇はなく、今も時間さえあればカンバスに向かっている。午前11時から午後6時まで開館。