陸上400mで五輪3大会連続で出場した高野進さん(54)の講演会が21日、燕市文化会館で開かれ、350人が来場して「世界に通じる人材を、どう育てるか」のテーマで聴いた。
高野さんは88年のロサンゼルス大会からソウル、バルセロナと 3大会連続で五輪に出場。バルセロナ五輪では60年ぶりに陸上短距離で決勝進出という偉業を成し遂げた。今は東海大学体育学部に籍を置き、体育、スポーツを通した人間教育に取り組み、陸上競技部兼短距離のコーチとして後進の指導にあたっている。
今回は燕市体育施設指定管理者の燕市体育協会・ミズノグループ主催のミズノの契約選手や社員選手を起用した「ミズノビクトリークリニック」として開かれた。
高野さんはプロジェクターで映像を映してプレゼンテーションのようなスタイルで講演した。新幹線で燕三条駅を通過したことはあるが、燕市に降り立ったのは初めてで、26日から28日まで新潟市・デンカビッグスワンスタジアムで開かれる日本陸上競技選手権大会で1週間後にも再び新潟を訪れることなどから話した。
高野さんのモットーは「動いて考えてまた動く」。伊東浩司、末続慎吾、塚原直貴などの日本代表する短距離走の選手を紹介し、「世界に出て戦う素養を教えてきた」と話した。
「力」で勝負するのではなく、「美」で勝負することにこだわった。美しく戦い、美しく勝ち、ときに美しく敗れることで、「美しさという概念がわたしは好き」と競技以前の競技に向かう姿勢から説き、それには「他者を理解するところから始めなければならない」と持論を展開した。
後半では「日本一輝いているまち☆燕市を目指して!〜オリンピック・パラリンピックの効用〜」をテーマに先に東京五輪を地方創生に地域活性化首長連合の副会長に就任、「つばめオリンピックプロジェクト」を進める鈴木力市長との対談も行った。