三条市内で撮影が行われている自主制作映画「ライブハウス レクイエム(仮)」の松本卓也監督(38)をはじめスタッフやキャスト16人が24日、国定勇人三条市長を表敬訪問した。
元お笑い芸人でもある松本監督は、いきなり国定市長に向かって土下座して感謝の意を示すと、それに答えて国定市長も土下座。撮影途中に訪れたこともあり、真っ赤なドレスを着た女性もあり、ハチャメチャな表敬訪問となった。松本監督のお笑い芸人時代から付き合いがある新潟のお笑い集団「NAMARA」の江口歩代表も訪れた。
脚本も松本監督で、ライブハウスを舞台にバンド演奏やラップも盛り込まれる。ラッパーで松本監督の弟、AKB48のラップ指導も行うマチーデフさん(34)とノイズベースができる女性ヒューマンビートボクサーで園子温監督の4作品にも出演しているサイボーグかおりさん(23)も出演するが、表敬訪問には訪れなかった。
2012年に始まった新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する新しいスタイルの映画祭「MOOSIC LAB(ムージックラボ)」の出品作として制作しているもので、上映時間は約90分の予定。ことしの「MOOSIC LAB」は8月26日から開かれる。
撮影はオール三条ロケで16日から25日までの10日間にわたって行われている。ライブハウスをはじめ、五十嵐川や本寺小路など三条市を象徴するような風景も舞台になっている。
今回と同じくマチーデフさんとサイボーグかおりさんが共演した2014年制作の「帰ろうYO!」は、茨城県で撮影した短編映画を対象に今月行われた第2回いばらきショートフィルム大賞の大賞作品に選ばれている。
松本監督は2007年に粟島で離島プロデュースを行って以来、粟島の島開きの司会、企画協力を行っている。三条市の三線奏者、きよ里さんは昨年から島開きに参加して松本監督と知り合ったのが縁で松本監督から映画のロケ地を探しているという話を聞き、三条市でのロケを提案し、実現した。松本監督の新潟県内で撮影した作品は今回で6作目になる。
松本監督は自主制作、独立プロダクションの制作者主体の映画づくりにこだわる。低予算、ノーマネーだが、松本監督が率いる映像ゲリラ集団「シネマ健康会」としてクラウドファンディング「WEB版おひねりBOX」を開設し、ウェブ上で寄付を募っている。
撮影に必要なマンパワーや大道具、スタッフの宿泊先などは会社社長梨本次郎さん(41)が現地コーディネーターのようになってほぼ無償で提供してくれるところを探した。ほかに地元キャストの出演も多く、地元の人たちには楽しみな作品だ。もちろん、新潟県内でも上映予定。