岩室温泉で飛ぶホタル、名付けて「冬妻(ひよつま)のホタル」が飛翔のピークを迎えており、見ごろ終盤となるであろう今週末は「冬妻ほたる祭り」として見物客を迎えるさまざまなイベントが行われる。
ホタルの飛翔地は、多宝山のふもとから流れる沢「岩村祓川(はらいかわ)」。そこにある砂防ダムの周辺に「冬妻の清水」があることから、ここで飛翔する源氏ホタルを「冬妻のホタル」と呼んでいる。
24日は夜になると気温が下がって半袖では肌寒く、ホタルの飛翔も少なめとのことだったが、それでも生活空間では見ることのできないたくさんのホタルが飛翔。多いところでは視界のなかに2、30匹のホタルが放つ小さな光りがふわふわと移動するようすを見ることができた。
観賞に訪れた人は、無数の光り点滅を同期させて舞う幻想的な光景を前に、申し合わせたように「すごい!」、「きれい!」と声を上げて驚いた。三脚を立ててカメラのレンズを向ける人も多かった。
沢の入り口では岩室温泉ほたるの会(岡崎昭会長)会員が受け付けを行い、七夕が近いこともあって七夕飾りを設置。ササを立て、短冊に願いごとを書いて下げてもらっている。
沢沿いの道路には岩室中学校の美術教諭が作った灯ろうを並べて足元を照らし、温泉街でも地元の小中学生やおとなが13日に行った矢川灯籠(とうろう)流しで矢川に流した手作りのスギの灯ろうを飾ってホタル観賞のムードを演出している。
18日から7月7日までを「冬妻ほたる祭り」としているが、メーンは今週末。毎週土曜は午後7時半から9時まで岩室公会堂でほたる縁日を開き、日曜の28日は午後7時から8時まで丸小山公園で「蛍と野外コンサート」を開き、三味線奏者の史佳さんとドラム&パーカッションの松井里香さんが演奏を披露する。
26、27、28の3日間は午後6時から9時まで岩室公会堂で初めての「ほたるカフェ」を開き、岩室芸妓(げいき)によるビールやつまみなど飲食の販売を行う。また、祭り期間中は参加6旅館と「だいろの湯」で使えるお得な入浴2回券「湯めぐりパスポート」を1,200円で参加旅館や新潟市岩室観光施設「いわむろや」で販売している。
弥彦温泉の一部を含め岩室温泉の多くの旅館がホタル観賞の送迎用バスを運行している。温泉街のいちばん弥彦寄りに飛翔地へ向かう入り口があり、その周辺に駐車場もあるが、土、日曜の夜は駐車場不足が予想されることから、「いわむろや」から無料のシャトルバスを運行する。祭りについて詳しくは岩室温泉観光協会(電話:0256-82-5715)へ。