日本貿易振興機構(ジェトロ)の燕三条地域貢献プロジェクトとして、シンガポールとマレーシアからバイヤー、デザイナー、シェフ、美容師、メディアなど11人を招いて燕三条地域でデザインを切り口に製品や技術をアピールする燕三条デザインツーリズムが24日から28日まで行われている。
25日は午前9時半から燕三条地場産業振興センターの3階デザインギャラリーでオープニングセレモニーが行われ、主催者や参加者でテープカットを行ったあと燕三条地域の輸出希望企業30社が自社製品を展示した会場で参加者とセッションを行った。
参加者はシンガポールから7人、マレーシアから4人。燕三条地域の製品を手に取って質問し、「いいものなのはわかるが、安いものとそんなに変わらない。違いがわかるようにPRする必要がある」と海外展開の手法をアドバイスする人もあり、ひとつからでも注文できるかと聞く人もいた。
燕三条の関係機関と連携し、デザインを切り口に東南アジアやヨーロッパの人たちに地場のキッチンツール、工芸品、日用品などにふれてもらい、3年計画で現地ショップとの共同開発、学生との人材交流、燕三条製品のファンづくり、輸出の拡大など多角的なビジネス交流を生み出すことを目指す。
ジェトロは全国何カ所かで同様の取り組みを行い、燕三条地域はその皮切り。三条市は一昨年、佐賀県武雄市などとともに共同でシンガポール事務所を開設したことも奏功したようだ。
今年度は3年計画の1年目で、これまで招く人の決定や受け入れ準備を行って今回の燕三条デザインツーリズムが実現した。この日午後4時半から招いた人たちによる公開セミナーを開いたほかは、燕三条地域の企業視察を中心に燕三条のカトラリーを使った昼食なども行う。