三条市の企画で6月から11月まで計10回の日帰りバスツアー「今しか見られない!笠堀ダム特別見学と大谷ダム探訪ツアー」が行われており、初日27日は県外からも含む26人が参加し、かさ上げ工事中の笠堀ダムと大谷ダムの監査廊など、ふだんは見ることができない特別なツアーを体験した。
株式会社JTB関東が実施、新潟県三条地域振興局の協力による初めての企画。笠堀ダムは平成26年度から29年度まで一般車両を通行止めにしてかさ上げ工事が行われているなかでの特別見学。土木工事の説明を聞き、かさ上げ工事の様子を見学し、大谷ダムでは資料館とふだんは入場できない監査廊(かんさろう)と呼ばれるダム堤体内部の管理用通路の見学などを行う2時間半のツアーだ。
初日27日に参加した26人は、三条市内のほか、神奈川、埼玉、福島、宮城と県外から訪れた人も。道の駅「漢学の里しただ」に集合し、笠堀ダムと大谷ダムの写真などでラッピングしたマイクロバス2台で分乗して見学先を回った。
笠堀ダムでは同ツアーの出発式として国定勇人市長が最初のツアー客を出迎えた。現場職員は五十嵐川災害復旧助成事業について説明した。それによると、ダム堤高を4mかさ上げし、2つのゲートを改修してダムサーチャージ水位を2.5m上昇させ、笠堀ダムの洪水調節容量を増強する。
参加者は工事現場を歩き、足がすくむような高さから組まれている作業の足場をのぞき込んだり写真を撮ったりし、今しか見られないダム工事の景色を満喫した。
大谷ダムでは監査廊に入って、ダムの道路から78m下の最も深い場所まで歩いた。屋外は最高気温27.5度の蒸し暑さだったが、監査廊の中は常時15度前後で、12度もの気温差も体験した。
80歳の兄を誘って参加した魚沼市の女性は、130段の階段を歩くという監査廊の見学をためらったが、兄とともに挑戦し、「ダムも良かったし、来ることができてよかった」。51年余り前の笠堀ダムの建設工事中の見学をしたという三条市の桜井正一さん(66)は、「ふだん行けないところに行き、こんなふうになっているのかと、ただただびっくり」、「中学生くらいのころ(笠堀ダムの)基礎工事を見学し、2回目の工事中。感激です」と、2度も大事業を目にできたことを喜んだ。
また、同ツアーの参加者には、通常の笠堀ダムと大谷ダムのダムカードと、非公認だがプレミアム感のある笠堀ダムの工事中のダムカードの計3枚をプレゼント。さらに、下田地区の温泉や飲食店など9施設で割引などのサービスが受けられるマップをプレゼントしている。
神奈川県の高校の同級生だった神奈川県の会社員小倉博志さん(42)と宮城県の会社員小笠原一夫さん(43)は、それぞれ車を運転して来条し、ダムカードの収集も兼ねて参加した。
小倉さんは、昨年の笠堀ダム50周年記念講演会にも参加しており、今回のツアーの7月開催分も参加予定のダムマニア。さらに、完成まで毎年、同様のツアーが実施されると聞いて、今後も参加したいと話していた。
次回開催は7月11日で、定員になれば締め切る。8月と9月開催日の申し込みの受け付けは7月12日から、10月と11月の受け付けは9月13日から。各日とも定員は42人、旅行代金は1人2,000円。問い合わせはJTB関東法人営業三条支店(電話:0256-35-7222)へ。