6日開かれた一般社団法人燕三条青年会議所(石黒良行理事長)の7月通常総会で、2016年度の第20代理事長候補者に監事の相場健一郎さん(36)=相場産業株式会社社長=を決めた。相場さんは、イノベーションを行動指針のいちばんのベースにまちづくりや人づくりに取り組む考えを示した。
相場さんは三条市に生まれ、第一中を卒業して渡米、オクラホマ州の英語学校へ進み、ニューヨーク州のHOSAC ACADEMY、ニューヨーク市ブルックリンのPRATT INSTITUTEを卒業。グラフィックデザインを専攻し、在学中からフリーランスとして活動した。
04年に父の末期がんのため帰国し、会社に入社、代表取締役に就いた。翌05年に燕三条青年会議所に入会し、12年に副理事長、13年に新潟ブロック協議会Niigata Pride委員会委員長、14年に専務理事、15年に監事に就任した。
通常総会で相場さんは石黒良行理事長、加藤将利直前理事長からプレジデンシャルリーフを受け、あいさつした。新年度は1月に始まる。相場さんは「自分たちが寝ずに考えた議案や計画書、事業がどれだけ社会にインパクトを与えられるか。どこまで信じられるか。そんなところがJCのだいご味」で、「イノベーションという考えが2016年度のわたしの考える行動指針のいちばんのベース」で、「それをベースにまちづくりや人づくりをやっていく」とした。
まちづくりというと、入会して長い会員は“合併”が浮かぶが、住民投票で一度ゼロになった燕市と三条市の合併を戻すには「そこまでに費やしたエネルギーの倍、10倍くらいのエネルギーが必要」で、東日本大震災でゼロベースになった原発の安全神話から立ち直ろうとする東電社員の気分にも少し似ており、「どれだけ頑張っても、どれだけもがいても世論が向いてくれなければなかなか難しい」。
そのなかで「イノベーション的な感覚でまちづくりを見直したい」として、来年は「にぎわいのある地域」と「経済が回る地域」の2つに分けて定義づける。「にぎわいのある地域」は、広く知識を世界に求めてシンクグローバル、アクトローカルの考えで取り組む。世界中でまちづくりが行われているが、「その取り組みや考え方をいかに燕三条に落とし込めるか。燕三条の文化と世界の文化、まちづくりを融合することでどんな価値が生まれるのか。そんなところを探求したい」との考えを示した。
経済の問題は非常に難しく、燕市、三条市、弥彦村とも消滅可能性都市のリストにはあがらなかったが、厳しい状況に変わりはない。考えなければならないのは人口減少問題で、Uターン、Jターン、Iターンをいかに生み出せるかを考えている。
さらに青少年育成事業にも注目しており、詰め込み式の教育は大量生産、大量消費の時代にはふさわしかったが、これから身に付けなければいけない教育は総合力で、人材育成、情報発信に取り組まねばならない。
日本JCは良くインパクトと言うが、「カルチャーショックのような衝撃をJCがつくらない限り、人の意識はなかなか変えられない。その衝撃をつくるのはイノベーションなり、イノベーティブなJCだと思っている。来年、2016年度はそのような考えをベースにしてさまざまな取り組みを行っていきたい」と抱負を話した。
総会後の記者会見で相場さんは、「新しい魅力を外からの魅力との融合でつくりだしたい」とし、合併には「方向性が見えてくればいいかなと思う。それが20周年につながる考え方に落とし込めれば」。燕三条JCは2017年が設立から20年の節目になり、来年はその前年となる。
JCの課題については「来年、違うアプローチをすることでメンバーの考え方も少し変わってくるのではないかと思う。委員会では組織の力の向上を目的とした委員会を考えているが、メーンはリーダーシップ、組織の力を百パーセント出していくためのリーダーシップを考えたり、この組織の歴史を考えて20周年に向けてどういった形でまとめるような委員会に」と話した。
また、監事候補者には女性の力創造委員会執行理事の白倉猛さん(38)と会員拡大委員会出向理事の関義実さん(37)に決めた。