三条市が大きな被害を受けた2004年の7.13水害からちょうど11年となった13日、市内の第四中学校区では全国的にも珍しい洪水を想定した避難訓練を行った。小中学校合同で保護者や地域の人も参加して地域ぐるみ約800人が参加し、第四中の中学生自治防災組織「四中レスキュー」の3年生が講師となって防災技能指導も行った。
第四中の生徒と第四中学校区の井栗、保内、旭の各小学校の児童全員に加えて保護者や地域の人も参加した。午後2時過ぎから行い、児童生徒はいったん帰宅してから防災無線の合図で各小中学校4校に加えて第四中学校区内の三条東高校、塚野目保育所の計6カ所に開設された最寄りの避難所へ避難した。
各避難所では集まった小中学生で顔合わせレクを行ったあと、中学生自治防災組織「四中レスキュー」の第四中3年生が防災技能指導を行った。
井栗小に開設された避難所には、西潟、鶴田、三柳などに住む147人が参加した。児童には事前に大切なものを2つ持参するように話してあり、顔合わせレクではグループに分かれてその内容を発表。懐中電灯やラジオ、タオル、水、サランラップ、ばんそうこう、救急セットなどを持って来た。
中学生自主防災組織による防災技能指導は、第四中3年生15人が講師となって、救助の必要のある人を後ろから抱きあげたり、背負ったりして運ぶ方法を実演して指導した。中学生自主防災組織は、義務教育最終年の3年生が防災の基礎技能を身に付け、将来、組織防災の担い手になってもらおうと今年度、立ち上げたもので、今年度に入って6月25日まで3回、三条市消防本部から第1期の防災技能の講習を受けており、秋にも第2期の講習を受ける。
3年生はそこで指導を受けたことを児童生徒に伝えた。自身も消防職員の指導で工夫しながら身に着けた技術でもあり、指導は的確。うまくできなずに四苦八苦している小学生には、力を入れずに安定して移動させるためのこつを手取り足取りで教えた。
代表の3年生は「このような技術は災害時に大切と感じたので、きちんと頭に入れて家庭に持ち帰り、やってみてください」と反復して忘れないよう求めた。井栗小の南雲正紀校長は、災害時におとなは考えることがたくさんあるのでパニックになることがあり、「そんなときに頼りになるのが皆さん。声をかけあって皆さんがやってくれれば、おとなもはっと気がつくと思う」と、子どもたちの役割に期待した。
第四中は12年度に新潟県防災教育プログラムモデル実践校に選定されたのがきっかけで一昨年から地域ぐるみで避難訓練を行っている。三条市は昨年度、第四中学区の小学校5、6年生と中学校1年生を対象に1泊2日で学校に泊まり込む防災キャンプも行っている。今年度は本成寺中学区を対象に29、30の1泊2日で同様の防災キャンプを行う。