燕市立粟生津小学校(渋木保之校長)の6年生28人は15日、算数の授業で地元の長善館史料館を訪れ、建物の面積を実測して求める校外学習を行った。
6年生の算数「曲線のある形の面積」の題材として、長善館史料館のおおよその面積を求めた。6年生は歩いて同史料館を訪れ、7班に分かれて測った。事前に班ごとに建物の平面図を基に計算する方法を考えてあり、その方針にのっとって計算に必要な建物の長さを巻き尺を使って実測し、計算した。
同史料館はホールが円に近い八角形で、複雑な形をしている。四角や円、平行四辺形や台形の面積の求め方を学んでおり、ほとんどの班は建物を分割して部分の面積を求め、合計して算出。中には建物全体をひとつの台形としてとらえて計算する大胆な班もあった。
どの班が実際に近い面積を計算できるかというゲーム性もあり、精度を上げて測ろうと6年生は熱中。真剣な表情で実測し、測り終わると平面図を囲んで計算し、面積を求めた。
正解は201平方メートル。各班の計測結果は、実際の半分の103平方メートルから1.5倍の309平方メートルまで幅があり、2番目に小さい数値217平方メートルを求めた班が最も正解に近かった。
同史料館は江戸から明治にかけて地元粟生津地区に開設された私塾「長善館」を記念し、その歴史を伝える施設。粟生津小からは直線で200メートルと離れていない。
6年生の担任の金子恵太教諭は、算数の力と同時に郷土について関心を高めてほしいと、地図を使って机上で計算するのではなく、同史料館を実測する授業を思いついた。「概形で計算するように話したが、おおよそだと実際より広く計算されるのがわかったのも良かった」と真剣に取り組んだ6年生に目を細めていた。