国文化審議会は17日、1952年(昭和27)ころに建築された三条市神明町、旧外山虎松商店店舗兼主屋を国登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。
建物は木造2階建て一部平屋建で、切妻造で桟瓦葺(さんかわらぶき)塀付き。登録文化財該当部分の建築面積は98平方メートル。
三条市の中心市街地の東にあり、三差路の角地に建つ。通りに面して縦長窓を配した屋根を隠す外壁“パラペット”を立ち上げ、壁の最上部には建物を雨水から建物を守る水平に突起した部材、コーニスをめぐらす。北辺には看板を取り付けた塀が続く。
戦後、再建された商業建築で、地域のランドマークとして親しまれている。登録は官報告示をもって正式登録となる。三条市内での国登録有形文化財はこれで19件目になる。
時計や宝石を販売していたが、2013年6月に廃業。姿を消すのも時間の問題と思われたが、リノベーションによって外装はできる限り手を加えずに内装が大きく変更され、昨年秋からシェアスペース&ライブラリー「燕三条トライク」として見事に再生を果たしている。
燕三条トライクを運営する合同会社燕三条スタイルの小山雅由代表は、この建物に魅せられたひとり。「外山虎松商店は、昔ながらの中央、一ノ木戸、昭栄通りの3つの商店街が交わった場所に位置する象徴的な建物。国登録有形文化財の名に恥じないよう永続的に運営したいし、建物が注目されることで利用者増につながれば」と話している。