燕三条青年会議所(石黒良行理事長)が制作、10月10日の発表を目指す映画『ともに担げば』が18日、飛燕夏まつりの燕1000人みこしのシーンでクランクインした。
地域の技術を集結したみこしも東京の博物館へ送られることになり、なんとか大切な「誇り」を自分たちの手元に残そうと、ふたりの青年のすれ違っていた思いがまたひとつに重なり、人々に伝わってゆく。
監督の鶴岡慧子さんがこの物語を着想したのが、燕三条地場産業振興センターに展示されている燕市・飛燕夏まつりで担がれるみこしだった。当初、撮影は7月22日から8月4日までの計画だったが、みこしが出るのは飛燕夏まつり1日目の18日だけ。まつりのみこしのようすも撮影しようとクランクインを18日からに早め、クランクアップも30日の予定に前倒しした。
鶴岡監督は撮影スタッフとともに燕市に入って撮影を開始。あいにくの雨降りで、みこしはいたまないようにビニールをかけてあったのが残念だったが、地上からだけではなく舞い込みの場面では戸隠神社向かいのビルの屋上からも撮影。雨はいっこうに収まらず、鶴岡監督が自らカメラマンに傘を差し出した。
まつりのようすを見た鶴岡監督は「すごくいい感じ」。鶴岡監督は長野県上田市の旧真田町の出身で「地元のまつりにはあまり参加しなかった」ので、飛燕まつりは新鮮に映った。「きょうのためにたくさん準備したり練習したりしたんだろうと思う」と、本番に至るまでのプロセスに思いをめぐらせていた。