三笠宮寛仁(ともひと)親王殿下の長女、彬子(あきこ)女王殿下が20日、弥彦村の村営弥彦競輪場で行われた第24回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントの決勝を昨年に続いて観戦、表彰式に出席する前に鎚起銅器の玉川堂(玉川基行社長・燕市中央通り2)を視察した。
玉川堂を皇族が訪問されたのは昭和37年(1962)の高松宮殿下以来、53年ぶり。彬子さまは涼しげな淡いブルーで統一した帽子とスーツで玉川堂を訪れ、工場の製造の工程や完成した製品を見学され、ご友人のアイスコーヒー用に水玉模様のビールカップを購入された。
彬子さまを迎えて案内した玉川社長と鈴木力市長によると、鎚起銅器がつくられる現場は初めてで、とくに打ち縮める技術や冷たい茶を入れたビールカップの冷たい清涼感に驚かれていた。
彬子さまは子どもたちに伝統を伝えるようなワークショップを行うプロジェクトに取り組んでおり、そのワークショップに鎚起銅器も加えたいと話された。
平成24年4月に設立された「心游舎」が行っているワークショップのことのようで、子どもたちに本物の日本文化にふれる機会を提供したいという彬子さまの思いに共鳴した有志が同団体を設立。これまでに和菓子作りや九谷焼の転写技術などのワークショップが行われており、玉川社長と鈴木力市長は鎚起銅器のワークショップ実現を熱望した。
玉川社長は「燕市の鎚起銅器を彬子さまに知っていただくことで、いろんな人に鎚起銅器の話が広がることを期待する」、「子どもたちに伝統工芸やものづくりの大切をアピールできればいい」。
鈴木市長は「今まで素通りするだけだった燕に足を止めていただいたのは非常にありがたく、光栄に思う」、「皇室の方から燕市の伝統技術を良く知っていただいたのは、伝統を残すといういいきっかけになった」と話した。