老朽化した燕市内3地区の浄水場を1カ所に統合して新設するのに伴って設置した第1回燕市水道料金の在り方検討委員会が21日開かれ、水道料金の見直しに関する個別方針の方向性を決めた。
委員は公募の2人を含む15人で、事務局案通り会長に新潟大学経済学部の小池信之教授、副会長に新潟市水道局技術部秋葉事業所料金課の倉元誠課長を決めた。
水道料金の見直しに関する個別方針は、すべて原案通り決めた。水道料金体系は口径別料金体系を採用し、メーター使用料は廃止する。基本水量制は基本水量を設けない基本料金とする。従量料金は単一従量料金制とする。料金算定期間は4年ていどとする。
水道料金体系は、吉田地区と分水地区が採用する用途別料金体系と燕地区が採用する口径別料金体系がある。用途別料金体系は一般に業務用など負担能力が高い用途には高い料金を設定し、家庭用の料金は低く抑えるもの。口径別料金体系は水道メーターの口径によって料金を算出するもの。負担の公平性、料金体系がわかりやすいことから近年は口径別料金体系を採用する水道事業が増えており、これを採用することにした。これに伴って例えば20mmのメーターで吉田地区80円、分水地区100円のメーター使用料は廃止する。
基本水量制は、基本水量を設けない基本料金にする。今は3地区とも基本水量を設け、基本水量に達するまでは使用水量にかかわらず基本料金がかかり、基本水量を超えた分について超過料金を加算するが、基本水量を設けないことで水量にかかわらず使用水量分を加算する形になる。
従量料金は単一従量料金制とする。段階的に1立方メートル当たりの料金を高く設定する逓増(減)型従量料金のもあるが、3地区とも単一従量料金制を採用しており、それを継続する。
料金算定期間は4年ていどとする。現在、燕地区は1993年、吉田地区と分水地区は1997年以来、料金の見直しを行っていない。今後は一定の算定期間ごとに料金体系の見直しを行うことにしたもので、それを4年ていどとした。
燕市内の3地区それぞれに浄水場があり、いずれも稼働から40年以上がたって老朽化している。しかも建物は現在の耐震基準を見直しておらず、機械設備の交換部品が生産されていないなど調達が困難になっている。
浄水場の更新が必要になっているが、3地区の浄水場を更新するよりも1カ所に統合し、安定した水質と取水量を確保できる新たな適地に新設する計画だ。10年後をめどに新設を検討し、建築費用は200億円近くとも見られる。
水道事業は独立採算制であり、新浄水場再構築費用を水道料金で確保し、3地区で別々に設定されている水道料金体系の解消が必要なことから、水道料金の見直しすることになり、検討委員会を設置した。
まだ新しい浄水場の建設計画も決まっていないので、検討会では検討するのは、料金見直しの方向性まで。10月まで月1回、計4回の検討委員会を開き、11月に鈴木力市長に意見書を提出する。