初代「十日町きものの女王」に選ばれ「とおかまちプロモーション大使」も務める加茂市の書家、泉田佑子さんの書展「白の世界松代」が8日から23日まで、十日町市松代の「まつだいカールベンクスハウス」で開かれている。
泉田さんは1976年、加茂市生まれ。5歳で筆を持ち、三条高校、新潟大学教育学部書道科を卒業、2000年に「墨遊はちまき屋」を主宰。新潟のお土産品「新潟チップス」や日本酒ラベル吉野川「杜氏の晩酌」、「十日町雪まつり」、「三条祭り」の題字など数多くのロゴを手がける。
「白の世界」は、雪国新潟で育った泉田さんの書の世界観を象徴する「白」をテーマに芸術文化、経済、風土が融合した暮らしのなかで生きる書を通して、人々の心をつなぐことが目的。
今回は建築デザイナーのカール・ベンクスさんが再生した元旅館の重厚な古民家を会場に、十日町、松代、松之山で暮らす人たちとのかかわりのなかで制作した書作品を中心にした「くらしの中にいきる書/所がつなぐ心」、オリジナル書作品の「泉田佑子 書の世界」などのコーナーを設け、26点を展示している。
カール・ベンクスさんの依頼で製作した作品「澁」は、屏風一双の大作。屏風は加茂市の大湊文吉商店で製作した。さらに、30年ぶりに新しくなったという「十日町雪まつり」の題字も並ぶ。
エントランスは「千の光」と題し、雪の結晶をイメージした三条市の須藤凧屋製作の白い六角凧に雪にまつわる言葉を添え、空から舞い下りてくるように来館者を迎える。
また、会場内には泉田さんの出張アトリエ「筆人舎」もあり、泉田さん愛用の筆やすずりをはじめ、日ごろ使っている紙棚なども運び入れてアトリエを再現している。
泉田さんは十日町、松代、松之山で暮らす人たちとのかかわりのなかで制作した作品などは、地域の人にもぜひ見てほしいと来場をよびかけていた。
展示のほかにも、書道体験コーナー(参加費500円)を開設。17日と20日に三味線弾き語りと子どもワークショップ。18日午後3時から泉田佑子書制作ライブ「松代の書」、最終日23日午後2時から、トークショー「松代での制作を終えて」を開く。
書展会期中、十日町市ではアートトリエンナーレ「大地の芸術祭」が行われており、松代も会場のひとつで、現代アートとあわせての鑑賞も楽しめる。書展は入場無料。午前10時半から午後5時まで。