新潟市西蒲区打越、越後の大庄屋「澤将監(さわしょうげん)の館」で16日、ことしも「救援米引き渡し儀式&狐と踊る鈴おどり大会」が行われた。
打越鈴踊り保存会(涌井和義会長)が主催した。旧中之口村打越集落、さらに打ち越村では150年から200年前とも言われる昔に「鈴おどり」が始まり、澤家の大門で盛大に行われたが、昭和23年ころに途絶えた。
中止になってから47年後の平成6年に澤将監の館が復元されたのきっかけに鈴おどりの復元の気運が高まり、翌年に保存会が発足、復活した。あわせて明治4年の水害にで不作だったときに旧高崎藩士の片柳礼三が独断で打越に救援米を届けたという史実にちなんだ救援米引き渡し儀式を行っている。
将監の館の中庭を会場に、前館長らが寸劇仕立てで救援米の引き渡しを演じ、解説したあと、盆踊りに。鈴おどりと中之口音頭を踊ったあと、地元愛好者によるフラダンスと近郷の河井神楽舞を見学してから再び盆踊りを行った。
打越の集落は約170戸ほどで、盆踊りを踊ったのは数十人ていど。鈴おどりは手の指に鈴が甲側になるように2つの鈴をつけ、手踊りのように上半身中心の動きの小さな所作が特徴的だ。敷地内に稲荷(いなり)をまつっていることもあり、しばらく前からキツネの面を頭に載せるようになった。踊りにあわせて鈴が鳴り、情緒あふれる盆踊りとなっている。