三条市、新潟市、長岡市の布を扱う3人の女性作家が三条市のアトリエ付き滞在施設「Craftsmen's Inn Kaji」を借り切って22、23日と作品展やワークショップなど古い町屋の空間を生かしたパフォーマンスのインスタレーションのようなイベント「イカラシトモコの部屋の中」を開いている。
3人は三条市の布モノ作家のイカラシチエ子さん、長岡市の古布などを使った布作家のオガワトモコさん、新潟市中央区で布小物を製作する「room」の渋谷裕樹さん。それにこの3人をつないで企画の背中を押した新潟市西区の会社員中村良さんも加え、関係者の名前などから“いからし”、“トモコ”、“部屋(room)”、“中(中村)”をつないでタイトルにした。
3人は昨年11月に燕市・ツバメコーヒーで開かれたイカラシさんの作品展「SHOW CASE Vol.1」で知り合った。同じ布を扱う作家として3人で一緒に何かやりたいと話していたところに中村さんが背中を押し、早くもことし2月に新潟市でイベントを行い、今回は三条市に会場を移して2回目となった。
3人作品の展示、販売は全体の一部。3人は順番に講師となってワークショップを行い、ほかの2人が生徒となって指導を受ける。そのようすを公開して来場者から見てもらい、来場者向けのシルクスクリーンプリントや布モノづくりのワークショップも用意している。
3人以外にも主に新潟市から器、雑貨、ベーグル、盆栽、古本、衣服などを扱う10店近くがそれぞれ販売。22日だけ3人のまかないを来場者にも味わってもらう新潟市・シュガーコートによるランチで昼ご飯会も開いた。4,500円のかき氷もおもしろい。新潟市の器の店「ヒメミズキ」の作家もののガラスの器に、roomの布のブローチ、オガワさんの柿渋で染めたコースター、イカラシさんのシルクスクリーンで染めた巾着が付いていて、それを使ってかき氷も味わうという3人の共同企画だ。
初日22日は3人のなじみ客などを中心に続々と来場者があり、作品やワークショップはもちろん、町屋づくりの古い建物を生かした空間でのイベントに時間を忘れ、畳の上でゆっくりくつろいで過ごしていた。
地元のイカラシさんは「作家同士の勉強にも刺激にもなり、お客さまにも珍しい景色を見てもらってわたしたちにとって有意義なものになっている」と新たな気づきに目を輝かせている。次回のこの3人によるイベントは、10月11日に新発田市で行われるイベントに招かれている。
今回の「イカラシトモコの部屋の中」は、23日は午前10時から午後4時まで開く。入場無料。
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