NPO法人三条おやこ劇場(兼古和枝理事長・会員20人)は22、23日と三条市内で古楽合奏団「ロバの音楽座」を招いて「ロバロバフェスティバル in 三条」を開き、23日は本物ロバも登場してブレーメンの音楽隊よろしく古楽器とワークショップで手作りした空想楽器で演奏しながらコンサート会場までパレードした。
午後2時から開かれた三条市中央公民館でのコンサート「森のオト」を前に、昼前に三条鍛冶道場で「ムラドクスマ作りワークショップ」を行った。ロバの音楽座を講師に段ボールなどを使って面でもあり、楽器でもある、手に持ってたたいて鳴らす不思議でゆかいな空想楽器を作った。
“ムラドクスマ”は、逆さまに読むと“ドラムマスク”というわけ。約30人が参加し、色紙やトイレットペーパーの芯、空き缶、プラスチックカップ、アルミのトレーなども使って完成させたら「街なかこども音楽隊パレード」に出発だ。
先頭はこのために長野県から呼んだ本物のロバ。ロバの音楽座のメンバーは、バグパイプ、リュート、手風琴、太鼓などの古楽器を演奏し、参加者は自分で作ったムラドクスマをたたいてリズムをとり、三条市中央公民館まで約400メートルをパレードした。
ロバは大人気で、子どもたちはえさのニンジンを与えたり、そのようすをお母さんが写真に撮ったり。親子で「かわいい!」とにっこり。パレードが進むとにぎやかな音に誘われて近所の人たちが道路に出てきて、日常にはあり得ない思わぬ動物との遭遇に目が点。間もなくロバと理解すると目を細め、パレードに加わる人が増えて規模が大きくなるのもブレーメンの音楽隊のようだった。
コンサートの開演前にも三条市中央公民館の玄関前でロバが来場者を出迎えた。コンサートは客席の後方から再び通路を抜けてパレードを行い、ステージ前に参加者が作った楽器を飾って開演となった。
コンサートは来場者が150人ほどと少なかったのは残念たが、ロバの音楽座の演奏に親子一緒にくぎ付け。まるでファンタジーの世界に引き込まれ、白昼夢を見ているような不思議な感覚にとらわれて現実感のない空想の世界に迷い込んだような空間と時間を過ごしていた。