除雪機や草刈機を製造するフジイコーポレーション株式会社(藤井大介代表取締役・燕市小池)は25日、親子を対象に初めての仕事体験研修「ぅわ〜きっず」を行い、小学生親子5組が参加して作業着姿もりりしく同社工場で仕事を体験した。
参加したのは市内小学校の3年生から6年生まで、男2、女3の5人とその親。午前9時20分からの入社式で機械事業営業部営業技術グループ・業務グループの高橋敏之リーダー、燕市商工振興課の遠藤一真課長補佐のあいさつのあと、同社の事業概要の説明やこの日のスケジュールやルールについて話したあと、さっそく仕事体験にとりかかった。
男の子は黄、女の子はピンク、親は青のこの日のために用意したつなぎの作業着に着替えて帽子をかぶり、工場内を一巡、見学してから、必要な部品を集めたり台車で運んだりする“マテハン”と呼ぶ作業、塗装のマスキング、小型機の組み立て手伝いなど、親子ごとに抽選で決まった作業に分かれて体験した。
作業着を着た子どもたちは、初めてのつなぎに、ちょっとうれしそうだったり、緊張したり。1組の親子に複数の社員がついて手取り足取りの指導に自然と子どもたちの目も真剣に。除雪機のエンジンをかけるテストやインパクトドライバーを使ったねじ止めなど、日常では体験できない作業にどんどん熱が入っていた。
丸山真理子さん(40)は地元小池小4年生の娘、あおいちゃん(9つ)と参加した。学校に配布されたちらしを見て、あおいちゃんが参加したいと申し込み、除雪機の組み立て作業を体験した。真理子さんは「想像していた以上に本格的ないろんなことをさせてもらった」と喜び、親子とも初めて使う電動工具に「子どものほうがすぐに慣れた」と苦笑い。あおいちゃんは「ねじを回す仕事がおもしろかった」とわくわく感も味わって作業を楽しんでいた。
途中でみんなそろって休憩し、高橋リーダーの「疲れた人?」の質問に「はい!」と即答する子も。高橋リーダーは「お父さんやお母さんはこうして1日に8時間以上も仕事しているんですよ」に、子どもたちは身をもって仕事の大変さを実感していた。
体験後は、ひとり1,500円分のここだけで使える“ぅわ〜きっずマネー”を給料として支給。そのマネーで昼食の弁当を食べ、デザートや菓子を買って終わった。
同社は慶応元年(1865)に旧小池村で「勇七」と称して千歯の生産を始めてから、ことしでちょうど150年。地域貢献の一環として地場産業のものづくりを仕事の疑似体験を通して子どもたちから知ってもらい、親の仕事の大変さや楽しさも感じてもらおうと初めて親子を対象に仕事体験研修を行った。定員を親子5組としたが、その3倍以上の申し込みがある人気だった。