御遷座100年記念事業の一環で弥彦神社に新築されていた相撲場が21日完成して26日、相撲場開きが行われ、伊勢ヶ浜部屋の横綱日馬富士による土俵入りが披露された。
先に弥彦村の観光大使に任命された伊勢ケ浜親方、大関照ノ富士、安美錦らも参加。夜の雨が明け方でやみ、午前9時半から紋付きはかまの伊勢ヶ浜親方一行が雨上がりの参道を歩いて弥彦神社拝殿で参拝してから相撲場開きを行った。
声も良く聞こえないほどのセミしぐれの会場は、千人を超す来場でぎっしり。清祓の儀のあと、弥彦神社の金子清郎権宮司、永田永田忠興宮司、小林豊彦村長、泉田裕彦知事らがあいさつし、伊勢ヶ浜親方は「相撲を通じていろんな貢献ができればと思うし、いずれはここで合宿をしたり、相撲の大会をしたり、巡業をしたりということを考えている。ぜひそのときは、おさい銭をたくさん持って見にきてくれれば」と会場をわかせた。
土俵中央で床山による髪結い実演、やぐら太鼓の打ち分けの実演を行っていよいよ日馬富士の土俵入り。化粧まわしをつけた日馬富士が姿をあらわすと来場した千人を超す観客から大きな拍手と歓声があがった。日馬富士は不知火型の土俵入を披露し、しこを踏むたびに会場からは「よいしょー!」の大きな声があがった。
続いて禁じ手などを寸劇のようにおもしろおかしく紹介する「初っ切り」で大笑いしたあと公開けいこ。力士の頑張りには思わず拍手でわき、終盤は日馬富士も後輩力士にけいこをつけてあげ、あちこちから「日馬富士!」のかけ声があがっていた。一連の行事が終わると、土俵を実際に手でさわったり、土俵を背に記念写真を撮ったりしていた。
午後から伊勢ヶ浜部屋はインタビューに答え、日馬富士は「新しい土俵の上で初の土俵入りだったのですごく光栄に思いました」と話した。このあと弥彦山ロープウェイに乗るためにバスまで歩いて移動。日馬富士は気軽にファンの握手やサイン、記念写真に応じ、拝殿の前を通るときは唯一、足を止め、弥彦神社の参拝の作法にのっとって二礼四拍手一礼で頭を下げていた。
仕事のつながりで昨年暮れに伊勢ヶ浜部屋の後援会に入った新潟市西蒲区の50歳代の男性は、妻と土俵入りの見物に。「とにかく、これだけの人が来るとは思わなかった。相撲ファンが多いのに驚いた。力士も大勢に公開練習を見てもらって気持ちいいだろう。いっぺんに相撲ファンになってしまった」と間近で見る相撲に魅了されていた。