伊勢ヶ浜部屋一門の弥彦最終日は親方の一日村長、ファンのお姫さま抱っこ、赤ちゃん横綱コンテスト、高校生と小学生の相撲大会 (2015.8.27)

26日の弥彦神社の相撲場開きに訪れていた伊勢ヶ浜部屋一門は翌27日、伊勢ヶ浜正也親方の一日村長任命、ファンのお姫さま抱っこ、赤ちゃん横綱コンテスト、高校生と小学生の相撲大会などさまざまなイベントに参加した。

弥彦神社は毎年27日に五穀豊穣などを願う神事「相撲節会」を行い、化粧力士をつけた力士役が露払いと太刀持ちを従えて相撲場で土俵入りを行っている。そもそも相撲場開きもそれにあわせた日程で行われた。

伊勢ヶ浜部屋一門は午前9時に弥彦村役場を訪れた。玄関ホールで小林豊彦村長から伊勢ヶ浜親方に一日村長の辞令書を手渡し、一日村長のたすきをかけた。村長室では初仕事として辞令書に押印して女性職員を秘書に任命。さっそく幹部会議を開いた。

一日村長に任命された伊勢ヶ浜親方はあいさつで、職員には10万円を支給、きょう子ども生んだ人には1,000万円を支給、役場に集まった人にもお祝いを1人10万円支給すると話して笑わせ、秘書に任命した職員には「1日だけ？」。幹部会議で小林村長が、伊勢ヶ浜部屋に彌彦で合宿してもらい、村の名物にしていきたいと提案したのを受けて伊勢ヶ浜親方は「伊勢ヶ浜親方を良く知っているので話しておきます」とノリノリだった。

再びロビーに出て、横綱日馬富士は抱っこには加わらなかったが、大関照ノ富士ら4人の力士が希望した子どもや若い女性24人を順番にお姫さま抱っこのサービス。あまりにも軽々と持ち上げられたのに驚いて「あーっ！」と大声を上げる女性も。安心感たっぷりりの力士の腕に乗ってピースサインなどをして記念写真を撮っていた。

相撲ファンの上越市に住む20歳代の女性は、新潟市の実家に泊まって役場を訪れた。巡業で力士を目の当たりにしたことはあるが、お姫さま抱っこはもちろん。「勢い良く持ち上げられて今までにない感覚だった」とドキドキが収まらないようすだった。

弥彦神社の相撲場へ移動すると今度は、赤ちゃん横綱コンテスト。その前に相撲節会の土俵入りがあり、本物の力士の前での土俵入りに緊張から所作を間違う場面もあった。

赤ちゃん横綱コンテストには希望した村内の4歳以下の赤ちゃんが参加した。力士に抱っこされた赤ちゃんの泣きっぷりや笑いっぷりを競った。火が着いたように大泣きする子もいたが、期待に反して泣く子はそれほど多くなかった。日馬富士が抱いた赤ちゃんが泣くことはなく、日馬富士は赤ちゃんの頭にキスしてあげていた。

伊勢ヶ浜親方と小林村長で横綱審議会を開き、どの赤ちゃんも甲乙つけがたいということで全員を横綱と認定し、全員に認定証と認定メダルを贈呈。弥彦村に住む梅津めぐみさん(31)は、2日後の29日に1歳の誕生日を迎える粋斗ちゃんを連れて参加した。「もうちょっと泣くと思ったけど、緊張してぼーっとしていた。誕生日を前にいい記念になった」と大喜びだった。

このあと恒例で第59回新潟県高等学校相撲大会と奉納相撲子供大会が開かれた。高等学校相撲大会は県内3高校から9人が参加し、団体戦は6年連続で海洋高校が優勝、2位東京学館新潟高校、3位白根高校の順だった。個人戦は海洋高1年高橋優太さんが優勝、2位東京学館3年佐藤剛さん、3位は同3年長谷部友樹さん、海洋高1年嘉陽快宗さんの結果。力の入る大相撲に大きな拍手でわく場面もあった。

途中、アトラクションで高校生対伊勢ヶ浜部屋の若手力士の3人ずつによる対戦が行われた。結果は力士のおとな力もあって、高校生が2-1で勝利。初っ切りを思わせるような力士のユーモラスな所作に日馬富士もこの日いちばんというほど大笑いしていた。

高校相撲大会までで一部の若手力士を残して伊勢ヶ浜部屋一門は帰路に着いた。奉納相撲子供大会には村内の小学生16人が参加し、4チームに分かれての団体戦と個人戦で競った。若手力士は善富士、椿富士、富栄の3人が参加して子どもたちと対戦した。

力士の紹介で、富栄は土俵に駆け上がって得意のバク宙を披露するなど、抜群の身体能力で来場者を驚かせた。小さな力士たちとコミカルに対戦し、会場は笑いでいっぱいに。足をとめて見入る人もいて、観客もだんだん増えていた。

これで伊勢ヶ浜部屋一門の25日から2泊3日の弥彦入りの日程をすべて終わった。次回の一門の弥彦訪問は来年の弥彦合宿となりそうだ。