農事組合法人麓二区生産組合(本多雅志代表理事・弥彦村麓)は29日、新潟市岩室観光施設「いわむろや」で開かれる「いわむろや夏祭り」で新潟ブランドいちご「越後姫」を使った新作「越後姫ソフトクリーム」(税込み400円)を販売する。イベントでの販売は初めてで、新作の評価を問う。
「越後姫」は1996年に生まれたブランドいちご。大粒でジューシー、甘みが強く果肉が柔らかいのが特徴だ。同社では2つのビニールハウスで「越後姫」を栽培している。
新作のソフトクリームは透明のカップに入れて販売する。3層構造で、いちばん下が凍らせた「越後姫」をクラッシュしたもので、真ん中はソフトクリーム。その上に「越後姫」で作ったジャムが乗る。
上からジャムとソフトクリームで甘さを楽しんだあと、凍ったイチゴの酸味がさわやかに口の中に広がる。「越後姫」をたっぷり使ったぜいたくな味わいだ。「いわむろや夏祭り」では午後5時から9時まで出店して販売する。150個の販売が目標だ。
これまでも「越後姫」を使ったソフトクリームを350円で販売したことがあるが、本多代表理事から新人に新作を開発するようにミッションが与えられた。任されたのは燕市に住む樋口孝信さん(33)と新潟市西蒲区に住む勝山俊さん(31)。2人とも昨年暮れの同社の募集に応募し、採用された。
樋口さんはそれまで洋服の小売店で販売員をしていた。奥さんの実家が農家で、農作業を手伝うことがあった。勝山さんは友人の実家で農家の手伝いをした経験があり、人材派遣業で働いていて転職を考えていたところに募集があった。
ふたりとも以前から農業に就きたいという思いがあったが、ハローワークに行っても季節作業のアルバイトでもない限り農業の求人はない。農地をもっているわけではなく、現実的ではなかったが、たまたま同社の募集にめぐりあい、渡りに舟だった。
ふたりは「つらいのこともあるけど、仕事にやりきった感がある」と言い、「とにかく仕事のストレスがなくなった」と口をそろえて力説する。同社の社員は8人。そんな農業1年生のふたりが考案した新作の評価に期待が高まる。
販売の体制はしっかり整っていないが、ふだんは同社でだけ販売している。詳しくは同社(電話:0256-94-4053)へ。