弥彦村・門前町活性化プロジェクト「第7回共に生きるチャリティーイベント」の一環で27日夜、弥彦神社舞殿で雅楽師東儀秀樹さんと三条市のシンガーソングライター佐藤ひらりさん(14)による弥彦神社奉納演奏が行われ、ざっと千人にのぼる来場者が幽玄の世界へいざなうような演奏を満喫した。
弥彦村上泉、株式会社二村建築社長の二村清栄さん(61)が代表を務める越後弥彦チャリティーコンサート実行委員会は、弥彦で夏のチャリティーイベントを恒例にしている。ことしも29日に「笑顔の竹あかり in 弥彦」、30日に「越後弥彦すまいる祭」を開いたが、それに加えてことしは弥彦神社御遷座百年を祝い、新たに奉納演奏を行った。
佐藤ひらりさんは全盲で、グランプリを受賞したことのある身障者の音楽活動支援コンサート「ゴールド・コンサート」で2年前に東儀さんと共演している。佐藤さんからの呼びかけで今回の共演が実現した。
本格的なコンサートではなく、あくまでも奉納演奏ということで、それぞれの演奏時間は約30分間。弥彦神社がまつる神に見てもらうために、神殿へ向かう方角には客を入れずに行い、演奏前に来場者全員で拝殿へ向かって2礼4拍手1礼した。
まずは佐藤さんが演奏。佐藤さんはすでにチャリティーイベントに何度も出演して弥彦でもおなじみ。白いドレスで舞台に上がり、オリジナル曲の「みらい」などをピアノを演奏しながら歌い上げた。
続く東儀さんは、薄紅色とでもいえる衣にえぼしをかぶった装束。すっかり日が落ちて真っ暗になり、境内はそれまでのセミ時雨から秋の虫の声に変わった。東儀さんは雅楽でも最も良く知られた曲「越天楽」を笙(しょう)で演奏したのに始まり、篳篥(ひちりき)でオリジナル曲「BOY'S HEART」など4曲を披露。あらかじめ自身の演奏を録音したものにあわせ、篳篥の豊かな表現力で自由に演奏した。
来場者は女性が多く、会場はこれほど大勢が入ったことがないと思うくらい約800人で満杯。入り切らない100人を超す来場者は会場の外の参道で音だけに集中して演奏を楽しんだ。
最後は唱歌「ふるさと」を東儀さんと佐藤さんの2人で演奏。東儀さんは佐藤さんをピアノの場所までエスコートし、まず東儀さんがソロでメロディーを演奏。続いて佐藤さんがピアノをひながら歌うと東儀さんは笙でフィルインして和音を重ねた。
さらに篳篥に持ち帰ると間奏をソロ演奏。だれの胸にも届く演奏で圧倒し、演奏が終わると割れるような拍手が響いた。