日本青年会議所主催「JCI JAPAN 少年少女国連大使」として7月28日から8月3日まで米国・ニューヨークを訪問した燕市立分水小学校6年の平原桜子さん(11)が26日、鈴木力市長に帰国報告を行った。
少年少女国連大使は子どもたちから国際理解を深めてもらおうと2011年から毎年行われており、ことしは全国から選ばれた小中学生30人が参加。ニューヨークにホームステイして国連がミレニアム開発目標「MDGs」として掲げる8つの目標からひとつを選び、国連本部でスピーチした。
新潟市の新潟青年会議所(池田祥護理事長)はことしはじめて国連大使の募集事業を行い、同JCが推薦して国連大使に選ばれた小学生2人のうちのひとりが平原さん。燕市からは2012年に当時の小学校6年生が参加して以来、2人目の国連大使となった。
平原さんは渡米前に鈴木市長を表敬訪問したときと同じ国連大使の制服の青いポロシャツを着て、新潟JCメンバーでもある父の邦慶さん(37)をはじめJC会員とともに市役所を訪れた。
平原さんはノートパソコンを持参し、小学校で事業の啓発活動を行うために、プレゼンテーションソフトを使ってほぼすべてを自分でつくったプレゼン資料を見せながら話し、鈴木市長に活動を報告した。
「MDGsの問題は全部、密接な関係していて、中心が教育だと思う。教育の問題を解決することによって知識が増え、男女の差別がなくなり、自然環境のバランスを保つ知識がついて、食物をつくる環境ができ、飢えをなくすことができる。教育によって病院や衛生面の改善が計画的、包括的に行われ、マラリア、エイズの感染者、赤ちゃんとお母さんの死亡率を減らすことができる。教育によって国際協力をする知識がつき、その国が発展する」。
「教育を受けられないと読み書きや計算ができず、安定した職業につけなくなり、収入が少なくなる。収入が少ないと学校に通うお金もないので、また子どもも教育を受けられなくなり、その繰り返し」と教育は世界の問題を解決に欠かせないことを話した。
「わたしが鉛筆だったら開発途上国に運ばれて女の子のものになり、女の子には鉛筆で文字を覚えて読み書きすることができ、計算することもできてだんだん知識がついてくる。鉛筆のわたしは小さくなったときには、その子の頭のなかには少し知識が蓄えられている。わたしたちには鉛筆できないことがたくさんできるから、もっと人間はいろんなことができるんじゃないかと思う」。
そして「いちばん大切なのは世界の現状をみんなに伝えること」で、世界の困っている人に、開発途上国に何ができるかと「考えることからが国際協力」と結論した。
平原さんは将来、国連職員になりたいと考えている。鈴木市長は平原さんの考えに深く感心するとともに、「教育が中心なら先生になろうという考えるもあるのに、いちばん大切なことは伝えていくことなんだということで、国際連合を目指しているということがまたふに落ちた」と強く納得。燕市の英語教室「Jack & Betty教室」のスペシャルゲストに迎えたいと話していた。