三条市栄地区福島新田地内の国道8号・善久寺交差点改良工事の一部として工事が進められた新しい地下横断歩道が完成。3日、登下校で利用する栄中央小学校の児童の進行で「善久寺地下横断歩道の完成を祝う会」が開かれ、完成を祝って供用を開始した。
工事は国土交通省長岡国道事務所が進める交通安全対策事業のひとつ。同交差点は右折レーンがないために追突事故が多発していたため、右折レーン設置の交差点改良を行った。あわせて昭和55年完成の地下横断歩道が老朽化し、道路が拡幅されるに伴い、新しい地下横断歩道を建設した。
平成20年度に改良工事に着手し、総事業費は約19億円、うち地下横断歩道は平成24年度着手で事業費は3億2700万円。延長はこれまでより12メートル長く64メートル、幅3メートルで、照明はLEDに。5カ所に警察直結の非常用通報装置のボタンを設置し、ボタンを押すと地下道の入口のサイレンや赤色灯も作動する。
完成式を前に地下横断歩道の中には「35年間、きれいに利用して頂きありがとうございました」と利用者への感謝の言葉、入口付近には「いままで ありがとう」の文字や、「35年間ご苦労様でした」の看板も立てた。
完成式は午後2時半から新しい横断歩道の下り線・新幹線側の入り口で行い、国交省長岡国道事務所の川岸弘昌所長、地下道を通学路として利用している児童48人、来賓の国定勇人三条市長など計74人が参加した。
川岸事務所長はあいさつで事業への協力に感謝するとともに、「生徒の皆さんに1日も早く使ってほしかった」と改良事業完成をまたずに一足先に供用を開始し、「みなさんに親しまれて末永く大切に使われることを願っています」。国定市長は「毎日、毎日、いとおしみながら使ってください」と話した。
6年生武石大輝君は児童代表で感謝の言葉。1年生のときから遊びに行くときも学校に行くときも利用した「とても親しみのある地下横断歩道」で、「これまでの地下横断歩道にありがとうという気持ちを持ちながら、新しい地下横断歩道を大切に利用していきたい」と話した。
「3、2、1、0!」と全員でカウントダウンしてのクラッカーを合図に、児童手作りの紅白テープでテープカットとくすだま割り。進行の児童の「さあ、新しい善久寺地下横断歩道の渡り初めスタートです!」のかけ声で、新しい地下横断歩道の階段を下りる子どもたちは、「すごい!」、「天井が高い」、「きれい!」と目を輝かせて見回していた。
武石君も「とてもきれいでびっくりしました。明日から(新しい地下横断歩道を)渡れると思うと、わくわくする」とうれしそうだった。