旧三条市立南小学校の校舎を活用したインキュベーション施設「三条ものづくり学校」=三条市桜木町=の事務局長に8月後半から斎藤広幸さん(30)=新潟市東区=が就いている。
斎藤さんは東北芸術工科大学を卒業すると、東京本社の企業に就職し、燕市内の事業所に勤務していたが、転職を考えていたところに長野県の家具店から善光寺のご開帳までの繁忙期の間、販売を手伝ってほしいという話があった。渡りに舟で昨年3月で会社をやめて家具店で働いた。
予定通り6月半ばで家具店の仕事を終えて新潟へ戻り、募集されていた三条ものづくり学校の事務局長を勧められ、応募して採用された。
斎藤さんは、昨年11月にオープンしたシェアスペース&ライブラリー「燕三条トライク」=三条市神明町=を運営する合同会社燕三条スタイルの代表社員、小山雅由さん(35)と2011年から親しくし、燕三条のものづくりに対する意識を共有している。斎藤さんに「三条ものづくり学校」の事務局長を勧めた人のひとりが小山さんだった。小山さんは三条市ものづくり拠点施設整備検討委員会のメンバーでもあった。
ただ、「燕三条トライク」のオープンからわずか半年後のことし4月に「三条ものづくり学校」がオープンし、いずれもコワーキング機能を備えるだけに、競合するのではという声があったのも事実。しかし、実際に運営してみると、両者がすみ分けできることもわかってきた。
斎藤さんは「両方を積極的に連携させていきたい」と言う。具体的には「燕三条トライクのセミナーを広い会場が使える三条ものづくり学校で開いたり、逆に燕三条トライクにしかないレーザーカッターを三条ものづくり学校で使わせてもらったりもできる」。
17日に三条ものづくり学校で入居者を対象とした2回目の交流会「クリエーターズサロン」を開いた。ゲストを含めて30人余りが参加したが、「燕三条トライク」の利用者からも参加してもらい、両者の相乗効果に期待する。
「ここに来れば燕三条地域にどんな事業者があるかわかるように、地元の産業界の底上げになれば」と斎藤さんは話している。