三条エコノミークラブは17日、ジオ・ワールドビップで公開例会を開き、700人以上が来場してクロフネカンパニーの中村文昭社長の講演「『心の伝承』〜古き良き日本の心〜」を聴いた。
中村氏は1969年生まれで三重県出身。高校を卒業して家出同然で上京し、たまたま焼鳥屋で隣り合わせた野菜の行商をする男性の熱いロマンに魅かれて弟子入りした。 3年半の修業で帰郷して起業、レストランウエディングの人気店を経営する一方、台湾での活動から学んだ日本の先人たちの「心」を伝えるため講演活動も行っている。
中村氏は、講演会のポスター写真と同じくダボシャツで登壇。スーツでは堅苦しいから「そぐわない格好でほんと申し訳ない」。何度も訪れている新潟では何かが起こり、数年前の加茂市の宿泊では大雨で裏山が土砂崩れしたなどのエピソードをソフトな口調でテンポよく話し、和ませた。
本題では、三重県多気郡宮川村大杉谷に生まれた子ども時代から、高校、上京。師匠と呼ぶ男性との出会いから変わった生き方や考え方などを詳しくわかりやすく話した。
18歳のときの中村氏の師匠との出会いを「心のコップが上を向いた瞬間、おとなひとりの役割は大きい。ひとりの若者の人生が根底から変わってしまった」。「商売は、仕事は、徹底的に人を喜ばせること」、人生を変える魔法のキーワード「頼まれごとは試されごと」などたくさんの教えと、それを実践し、役割を与えられ、どんどん人生を変えていく中村氏自身のこと。
家族をはじめ人との関わり、出会い、生き方や働き方やビジネスのヒント、東日本大震災のとき日本人を支援してくれた台湾のことなど多岐にわたり、幅広い世代の聴講者を引き込んだ。
中村氏は、同じ仕事をするのも、なんのためにやるのかという思いと、人を喜ばせることが自分の未来の可能性を変えていく。人との比較ではないのではと言い、自分の中にあるそのポテンシャルは、人様から気づかさせてもらったり、喜んでもらえることから見つけていくという天命追求型の日本人らしい生き方が、若者たちに教えてあげたい生き方のひとつと締めくくった。