三条市総合教育会議が18日開かれ、先の教育委員会定例会で平成29年3月に同市の三条小学校を閉校し、裏館小学校に吸収統合するとした方針など「小学校の統廃合」についてなど意見交換し、同校の閉校など原案通り決めた。
同会議は、市長と教育委員会が地域の教育の課題やあるべき姿を共有し、民意を反映した教育行政の推進を目的に今年度、設置されたもので、市長と教育委員会(教育委員)で構成。会議では、三条市教育大綱と小学校の統廃合を原案通り決めた。
小学校の統廃合は、15日の教育委員会定例会で決定した内容について教育委員会事務局が説明。「三条市立小・中学校の適正規模・適正配置に関する基本方針」で示した学校の適正規模は小学校12学級以上、中学校9学級以上で、それに満たない小学校は、市内21校のうち三条、上林、旭、保内、西鱈田、大島、須頃、栄中央、栄北、大面、長沢、笹岡、大浦、森町、飯田の15校にのぼる
しかし、各中学校区での小中一貫教育のさらなる推進と「三条版コミュニティ・スクール(仮称)」の創設をするため当分の間は、学区編成は行わずに、適正規模に満たない小学校について統廃合の検討を始める。
その基準は、「校舎の安全性確保できない場合」、「著しく小規模な状況(複式学級が2学級編成)が継続する場合」、「保護者・地域からの要望を受けた場合」の3つ。すぐに検討しなければならないのは「校舎の安全性が確保できない場合」に該当する三条小学校であると決めた。
さらに、三条小を同一中学校区内の裏館小学校に統合するため、直ちに統廃合に着手し、平成29年3月に三条小を閉校し、4月1日に裏館小に吸収統合することとした。
統廃合までのスケジュールは、9月28日に市議会総務文教常任委員協議会を経て、10、11月に三条小・裏館小統合説明会を開く。学校設置条例の一部改正を11月に教育委員会、12月の市議会に提案し、平成28年1月から翌29年3月まで1年余りをかけて、統合に向けて調整する計画だ。
教育委員に意見を求められた国定市長は、「まったく教育委員会で決めていただいた進め方でいたしかたない」、「三条市全体をみていかなくてはいけない立場のなかで、今を生きていくわれわれだけでなく、将来を生きていく三条市民のことも考えなくてみる」と静かに思いを話した。
国定市長は、「子どもたちのことをいちばんに考えたときに、これ以上施設の耐震性がここまでの学校を残していくのは心苦しい。決めるときは決めなくてはいけない」。「次の世代にそれだけ大きな不動産を建設してバトンタッチしていくのが望ましいことなのかと考えると」として、教育委員会の決定と今後の地元への説明など、あるていどは行政の責任においてもしっかりと進めていかなくてはならないとの考えを示した。
三条小の統廃合については、早い段階から三条小の同窓会や自治会の関係者などから反対の声もあがっていることも視野に入れてか、「今を生きる子どもたちの命のことを考え、これから先、三条市を生きていく三条市の人たちに適切な財産をバトンタッチしていくということを考えたときに、いわば卒業した人たちのノスタルジーがどこまで許せるのかということは、あるていど冷静に考えていかなくてはいけないと思う」。
「願わくば地域の皆さんにはここは現実をしっかりと受け止めていただいて、この町の将来をどういうふうにしていくのか、未来のまちの姿の描き方について、一緒に語りあうことができるような情勢を地域自ら醸成していただきたい」と願い、「次の世代のために冷静な判断をしていただきたい」とていねいに話した。