19、20日と加茂市・加茂山周辺を会場に開かれた小京都を楽しむ会「AKARIBA(あかりば)2015」で、20日は呼び物のあかりの結婚式が行われ、幻想的なあかりに彩られた加茂山を舞台にしたウエディングが来場者を魅了した。
加茂青年会議所(牛膓一丈理事長)主催の毎年恒例のイベントで、あかりの結婚式はその締めくくり。公募して選んだカップルの結婚式をできる限りの趣向を凝らして演出する。
ことしのカップルは8組の応募から選ばれた会社員近藤真樹さん(29)=新潟市北区=、保育士(旧姓:梅田)奈都美さん(25)=加茂市=夫婦。ふたりはあかりの結婚式の当日、式が始まる前に加茂市役所に婚姻届けを出した。
前日に続く秋晴れの下、白無垢(むく)の奈都美さんが乗る人力車を中心に稚児などが先導する行列が清雲亭山重を午後4時半に出発し、真樹さんが待つ宮大門の交差点で合流してふたりの紹介。加茂山入り口の赤鳥居石畳まで歩いて地元の葵幼稚園園児が歌、宝ヶ丘保育園園児が踊りで祝福した。
青海神社で結婚の儀のあと、野外ステージまで行列でのぼってふたりでキャンドルをともすキャンドルイベント。さらに行列して男坂の石段、池之端の和傘のあかり、宮大門でサプライズイベントを行って2日間の幕を閉じた。
宮大門のふたりの紹介のころは日差しが赤味を増し、数百人がふたりを囲んだ。ふたりを知る人も知らない人も「きれい!」、「おめでとう!」と声をかけた。あかりの結婚式5年目にして加茂市に住む人がカップルに選ばれたのは奈都美さんが初めて。地元ということで奈都美さんの知人や友人の見物が多く、赤鳥居石畳で踊りを披露した宝ヶ丘保育園園児は奈都美さんの勤め先ということで初出演し、園児は言われるまでもなく自然に奈都美さんに手を振って祝っていた。
結婚の儀が終わるころにはすっかり夜になり、あかりがついた加茂山は昼の雰囲気とはがらりと姿を変えた。野外ステージの客席部分には1,200ものキャンドルが並んでハートマークや文字を描いた。ふたりの友人や親せきの祝福のメッセージを撮影した動画も上映し、ふたりは大笑いしたり目をうるませたりした。
その後はあかりとともにふたりを撮影しようと訪れた大勢の写真愛好者がレンズを向け、まつりのようなにぎわいだった。
真樹さんは奈都美さんを迎える宮大門の交差点で「出た瞬間、頭が真っ白になった。本当に主役になったんだと思った」と足が地に着かないようすで、「思ったよりも迫力があって、人が大勢いて」と驚いていた。
奈都美さんは「婚姻届けの提出は意外にあっさりした感じだったけど、イベントが始まるとみんなが見ててくれてだんだん結婚したことを実感した。知らない人からも祝ってもらえてうれしかった」と感激していた。