燕三条地域の68工場を開放して五感でものづくりの現場を味わえる「燕三条 工場の祭典」が1日、開幕した。4日まで開かれ、燕三条の職人、技術、品質のオープンにしてアピールする。
1日午前8時半から工場の祭典の案内所を設置する三条鍛冶道場でオープニングセレモニーを行った。主催者や関係者約30人の出席のほか、市民や早くも工場の祭典に訪れた来場者もあり、100人近くが見守った。
実行委員長の永塚製作所専務、能勢直征さんは「五感でものづくりを感じていただけるすばらしいイベント」であり、」職人さんと気軽にコミュニケーションをとって楽しんでいただければ」と求めた。
ことしは来場者から宿泊してもらうことをテーマに取り組み、プロモーションイベントも好評だったことを紹介し、趣味のサーフィンにかけて、波はセットで来るが、工場の祭典もは地方創生やものづくりというセットのうねりが来ており、「この波をみんなでパドリングしてきっちりゲットし、みんなで波に乗って楽しみたい」と話した。
鈴木力燕市長は、イタリア・ミラノ万博を視察して「燕三条地域の技術や品質は世界に通用することを肌で感じて帰って来た」と話し、鉄道マニアが「鉄ちゃん」なら工場マニアは仮称「工ちゃん」だとして「工ちゃんがどんどん増えて燕三条地域を訪れてくれるよに」と願った。
国定勇人三条市長は、工場の祭典は「ニッチでディープなファン層にどれだけ深く刺さるかがいちばん大事」と位置付け、「数をねらうのではなく、ひとつでも質の高いストーリーがどれだけ積み重なっていくのか、つむぎあげていくことができるか、ここに成否の価値判断を引き続き追い求めていくべき」とした。
三条、燕の商工会議所会頭のあいさつのあと、紅白ではなくピンクと白のテープを地元の握りばさみで切るテープカット。さらに能勢実行委員長、アドバイザーの株式会社メソッド代表取締役の山田遊さん、両市長の4人で鍛冶道場の作業場のシャッターを開け、工場の祭典のシンボル、ピンクのストライプが描かれた段ボール箱をフォークリフトで持ち上げた幕開きを告げた。
三条鍛冶道場では、参加企業の商品の展示や鍛冶体験を行っている。首都圏から廉ターカーを使って訪れた20歳代と30歳代の女性3人は、午前4時半に出発して開架式のころに三条鍛冶道場に到着した。
一昨年の工場の祭典を訪れた富山県の大学で工芸を学んだ女性が、友だちを誘って参加した。「燕三条は授業でも良く知ってた。一昨年は工場の人から親切に一生懸命、教えてもらい、地元で一体になって取り組んでいるイベントでおもしろいと思った」と言い、日帰りの日程ながら燕市の玉川堂、三条市の諏訪田製作所、マルト長谷川工作所、タダフサ、相田合同工場など6、7カ所を回りたいと張り切っていた。
工場の祭典の玄関口となる燕三条駅の1階コンコースには、燕三条の工場で撮影した写真やパンフレットを配置したPRディスプレーが設置された。燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」に設置した案内所には、午前10時半ころには北は北海道から南は大阪まで20数人が訪れ、距離を超えて熱烈なファンが集まる工場の祭典の魅力を象徴していた。