県内では初めてとなる「全国産業観光フォーラム in 燕三条」が1、2の2日間、燕三条地域で開かれており、初日1日は約700人が参加した。
1日は燕三条地場産業振興センターで開会式、記念講演、記念対談、分科会のあと燕三条ワシントンホテルで交流会が行われた。2日は燕三条地域の工場をめぐるエクスカーションが行われている。
開会式は午後1時半から行われ、全国産業観光推進協議会の須田寛副会長はあいさつで、2005年の愛知万博をひとつのきっかけにこのフォーラムが始まったことや燕三条地域は地場産業の集積地であり、産業観光の先進地として大いに参考させてもらったとし、「このチャンスにものづくりを観光資源として体験し、製品を見る場としてこの場を生かしていきたい」と話した。
燕三条地場産業振興センター理事長の鈴木力市長は、「地域がもっと発展するきっかになり、われわれの地域が何か刺激になり、産業が観光が発展していくというフォーラムになれば」と願った。
日本観光協会主催第9回産業観光まちづくり大賞の表彰式も行い、受賞5団体を表彰した。金賞は愛知県の知多半島観光圏協議会。三条市は秘境八十里越体感バスで観光庁長官賞を受賞し、昨年の「燕三条 工場の祭典」で経済産業大臣賞に続いて2年連続の受賞となった。
記念講演はスノーピーク代表取締役の山井太さんが「燕三条とスノーピーク」のテーマで講演し、続いて山井さんと中川政七商店(本社・奈良県奈良市)代表取締役の中川淳さんのふたりで記念対談を行った。
講演の聴講だけで来場する人も多く、山井社長は講演でスノーピークは県内の企業で最も多くGマークを受けていること、オートキャンプというスタイルを生み出したこと、ユーザーの声に育てられたことなどを駆け足で話し、記念対談に移った。山井さんと中川さんは4年前からの知り合いで、両社は一昨年の日本郵便の商業施設「KITTE(キッテ)」(東京都千代田区)で店を並べている縁もある。
山井さんは「ぼくの会社じゃなくて買ってくれる人の集合体がオーナー」、「Headquartersは、どんな本社施設ならユーザーに喜んでもらえるかと建築した」、「誇りの再生産にならないといけない」。中川さんは「会社に入って5年くらいたってから“日本の工芸を元気にする”をミッションにした」、「クリエイティブなものを作るにはクリエイティブな環境でなければならない」、「地元の人ほどその土地のものを評価しない」などと話し、メモを取って聴くも目立った。
また、山井社長は複数の生活拠点をもつ「マルチハビテーション」のライフスタイルが増えていくと紹介。中川さんは来年が中川政七商店の創業300周年ということで、「スノーピーク×中川政七商店」の野だてセットの企画を提案し、その場で山井さんが快諾し、ふたりで握手する場面もあった。
分科会は3つのテーマで行われ、交流会を行って初日の日程を終了。2日は6コースに分けて燕三条地域の工場を見学するエクスカーションを行っている。