燕三条青年会議所(石黒良行理事長)がこの夏、制作した映画「ともに担げば」が完成。同JC誕生の日の10日、燕市・イオンシネマ県央でプレミア上映会が開かれ、作品を初公開した。
映画は2012年ぴあフィルムフェスティバルグランプリを受賞した鶴岡慧子監督を迎え、燕三条オールロケで撮影が行われた。キャストはプロの俳優に加え、22人の市民キャストや300人ほどのエキストラ、150人のボランティアスタッフが参加。企業170社が協賛した。
物語は燕三条を舞台に、金属加工業で働く幼なじみのふたりの男を中心に展開。地域の技術を集結したみこしが東京の博物館へ送られることになり、なんとか大切な「誇り」を自分たちの手元に残そうと、すれ違っていた思いがひとつに重なり、人々に伝わってゆく。故郷と家族を愛する人々の心温まる人間ドラマだ。
コミカルな部分や「あるある」な方言に会場から笑い声が上がることも多かった。三条市長と燕市長、弥彦村長も登場し、三条市の本成寺や八木ヶ鼻、燕市の玉川堂や商店街の飛燕夏まつり、弥彦村の温泉街などなじみのある風景も数多くスクリーンに登場。上映が終わると大きな拍手が響いた。
午前10時からの初回上映は関係者向けで、約300人が来場。上映後に鶴岡監督やキャストら約30人が並んで舞台あいさつを行った。石黒理事長は「地域の人たちが手を取り合い、力をあわせて自分たちの住む町で一歩、踏み出し、行動することの大切さを感じてほしいと考え、制作した」と意図を話した。
鶴岡監督は、わくわくを伝えようと取り組み、「一緒につくってくださったかたと一緒に共有して見ることでようやく映画が完成したということで今、非常に感慨深い」と話した。
作品を鑑賞した三条市の会社役員加藤一芳さん(53)は「ふつうに感動したし、良く知ってる場所がたくさん出てきたので、自分が登場人物のひとりになったような感じで感情移入して見ることができた」と映画を堪能した。
また、メーンキャストのひとり、三条市出身の女優、山崎日菜さん(28)は、夫役の高野春樹さんと席を並べ、ふたりで撮影シーンのことを思い出して目を合わせたり話したりしながら特別な気持ちで鑑賞した。
「映画を見て今までに感じたことのない温かい気持ちを味わうことができた。きっとこれからも撮影を思い出しながら何度も見返すと思う」と山崎さん。「描写とか鶴岡監督のすごさを感じました」と話していた。
このあとに17日に燕市文化会館、18日に三条市中央公民館でいずれも午後7時半から入場無料のサテライト上映会を開くほか、作品を上映を希望する学校や自治体、コミュニティーなどがあれば無料で作品を貸し出し、上映のサポートも行う。詳しくは同JC(電話:0256-32-5151)へ。