弥彦村は地元からの要望に応えて31日、8月に取得した旧やひこ観光ホテルの廃墟見学ツアーを行う。廃墟マニアの注目も集めそうだ。
ツアーは村民に限らず誰でも参加でき、午後1時からと2時からの2回、村職員が案内する形で行う。1回30分、定員20人ほどで、懐中電灯、ヘルメット、マスクなどを持参する。参加無料で、村負担で傷害保険に加入する。
旧やひこ観光ホテルはJRやひこ駅前に立つが、10年以上前に営業を停止してから取り壊されないまま放置されている。窓ガラスを割ったり、落書きしたりといったいたずらもひどく、廃墟と化し、県内有数の観光地である弥彦温泉のイメージを大きく損ねていた。
村民からも取り壊し求める声が上がっており、村ではこれ以上、放置しておけないと8月12日に旧やひこ観光ホテルの土地と建物を400万円で取得。取り壊して観光資源として整備する。
とはいえ、取り壊しにかかる費用は1億7,000万円とみられ、すぐに取り壊す予定はない。旧やひこ観光ホテルを取得して以降、村に村民から直接、取り壊し前に旧やひこ観光ホテルを見学してほしいという要望があり、村政懇談会でも同様の意見があったことから、見学ツアーを行うことにした。反響が大きければ、その後の実施も検討する。
村では旧やひこ観光ホテルのいつ建設され、いつ営業停止したのか、また天皇が宿泊された部屋があると言われるがそれがいつだったのかのかも把握していない。今回の見学ツアーの案内のデータとして役立てるほか、村の歴史を残すためにも、やひこ観光ホテルが営業しているときの写真やパンフレットなどの資料を探しており、連絡を待っている。
一方、全国的には軍艦島を象徴として廃墟ブームが広がっている。旧やひこ観光ホテルも以前から廃墟マニアが目を付けていた建物のひとつであり、見学ツアーは村外のマニアの注目も集めるはずだ。
問い合わせを含めツアー参加の申し込みは29日正午までに弥彦村総務課企画調整係(電話:0256-94-3131)へ。ただし定員になりしだい締め切る。