平成29年3月で三条小学校を閉校し、裏館小学校に吸収統合する方針を決めた三条市教育委員会は18日、三条小学校でPTAを対象に統廃合に関する保護者説明会を開こうとしたが、「説明会」ではなく「話し合い」をしたいとして説明会拒否の姿勢を示していた同PTAの参加者は1人もなく、開催には至らなかった。
この日は、三条小学校の文化祭で、会場の体育館はバザーが行われていた。その後片付けが終わり、バザー関係の保護者など誰もいなくなった午後3時半ころから、イスを並べたりして開催準備を行い、教育委員会は、長谷川正二教育長はじめ、教育部長、教育総務部長などが同校を訪れていた。
説明会の開催を拒否する姿勢だったPTAは、体育館の壁に「結果ありきの吸収統合。唐突に決定し、保護者には報道後、説明。一方的な『説明会』ではなく、教育委員5名との話し合いを求めます。市議会議員の皆さま良識ある判断をお願いします。『三条小をなくさないで』こんな願い事を子どもたちに書かせてはいけないのです。(保護者一同)』と大きな横断幕を掲示し、バザー終了後にも「一方的な説明会NO」、「耐震結果に問題あり?!」などの横断幕をメッセージとして掲示した。
そのなかで開催予定の午後3時を1時間以上経過ても来場者はなく、4時15分過ぎから準備したイスなどを撤収、中止した。長谷川教育長は、「参加いただけなかったのは残念だが、今後も保護者にていねいに説明してまいりたい」とした。
三条小学校PTA(原田大助会長)は、市教委から説明会開催の案内を受けた時点で、“説明会”は結果の報告という意味合いが強く「説明会ではなく、話し合いをしたい」として開催趣旨の変更を求めたが、市教委は要望を受け入れずに、全保護者あてに直接、説明会開催の案内文を郵送したと言う。
これを受けて、同PTAは13日に臨時PTA総会を開き、保護者70世帯余りのうち約50人が参加し、説明会開催について拒否することを決め、市教委に通知した。
同PTAは報道各社に配信した文書で、「統廃合については、市教委は『保護者や地域の理解を得ながら進めていく』としていながら、唐突に当校の閉校を決めました。当PTAでは、この対応についてまったく納得しておらず、今後も事務方の教育委員会の職員とではなく、あくまで教育委員の方々と話し合いをしたい考えでいます」としていた。
市教委は、今後の保護者への対応を検討するが、20日と25日にも同校で開く住民に向けた統廃合の説明会は予定通り行う。